異世界アニメの名前が長い理由 | 海外の日本アニメについて

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異世界のアニメやマンガ、ライトノベルのタイトルには、本格的で長い文章が多いです。しかし、この一見奇妙な傾向には、現実的な理由があるのです。



アニメの世界では、異世界系は、ラブコメやSFのような文学的な、あるいは映画的なカテゴリーではないかもしれませんが、この異世界系のコンセプトは驚くほどまとまっていて、その描かれ方にも一貫性があります。
異世界モノには、慣例、決まった型、お約束的なものが、多くあります。
例えば、読者自信を作品に投影させるためキャラとして、やたら強い主人公や、異世界へ飛ばされる際、なぜかトラックにひかれて死んでしまう例が多い事や、世界設定が中世ヨーロッパの町並み風が多い事などです。
そして、タイトルも、そういうものの一つです。

アニメ作品は、『BLEACH』『DEATH NOTE』『鬼滅の刃』のように、簡潔で無駄のないタイトルのものもある一方、異世界モノのように、ストーリー全体を要約したかのような長大なタイトルもあります。
このため、これらの作品をフルネームで呼ぶのは面倒であり、なぜこんなことが起こるのかと思うファンもいるかもしれません。しかし、これは単なるギミックではなく、異世界モノのタイトルが長くなるのには現実的な理由があります。

 

 

 

 

 

異世界とライトノベルでは、タイトルこそが客寄せのメインで、表紙は関係ない



多くのアニメファンは、なぜ異世界系がこんなに長くて、見ればすぐ分かるような名前ばかりなのか、長年不思議に思っていました。 Quora(コミュニティ型Q&Aサイト)での、とある会話が、この問題の解決に、良い光を当てています。
オリジナル作品でない場合、どのアニメ作品も様々な原作から来ています。多くの場合、大作と言われるアニメは人気マンガから直接描かれており、『NARUTO』『僕のヒーローアカデミア』『ヴィンランド・サガ』など、その範囲は多岐にわたります。

一方、他の多くのアニメは、ビジュアルノベルゲームやウェブコミック、あるいはライトノベル(印刷物やウェブ上の両方を含む)を原作としています。
どんなクリエイターにとっても、本格的なマンガやウェブコミックを描くより、ライトノベルの形で物語を書き出す方がはるかに簡単なので、結果、多くの人がライトノベルを書くという事になります。
そして、多くのデジタルライトノベルには、マンガのカバーイラストのような利点を持っていないため、タイトルがその代わりに仕事をすることになるのです。

ライトノベルは、派手でカラフルなマンガの表紙画像よりも、タイトルがセールスポイントであり、顧客の呼び水となるのです。ライトノベルのウェブサイトを訪れた人は、スクロールしながら、たくさんの選択肢を見ていきます。
たくさんの選択肢、つまりそれぞれの物語が、視聴者に自分を売り込むチャンスは、ほんの少ししかありません。ここで『NARUTO-ナルト-』や『ベルセルク』のような短いタイトルを付けているようだと、視聴者に内容が十分に伝わりません。
そこで、これらのライトノベルには、要を得た簡潔な内容説明を兼ねた詳細なタイトルが付けられており、これがしばしば効果を発揮すると言います。

ライトノベルがアニメ化された場合、そのタイトルはそのまま採用されることが多いようです。異世界ライトノベルやウェブコミックが人気を博す中、『転生したらスライムだった件』や『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』など、「長い異世界アニメタイトル」のトレンドが、こうして形づくられていきました。
このような物語は、「スライム冒険記」や「アイリーンの悪魔の恋物語」のような短いタイトルでも良いと思われますが、読者を引きつける効果が薄いのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

長い異世界タイトルの取り扱い



アニメからテレビ番組、映画、マンガに至るまで、長いタイトルは面倒なものです。テレビやコミックの表紙のキーイメージに合わせなければなりませんし、『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』のようなタイトルを何度も口にすると、文章でも会話でもスピードが落ちてしまいます。
コミュニティ内では「スライムとして転生」のように非公式に短縮されることもありますが、コミュニティはさらに優れたシステムを見つけました。それは、日本語の原題にちなんだ非常に短いニックネームを付けるというものです。
その代表的なものが『転生したらスライムだった件』で、『TenSura』(転スラ)まで短縮されています。また、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』は、原作の名前を2つ切り取って『HameFura』(はめふら)と呼ばれています。

しかし、異世界アニメのタイトルがすべて長いわけではありません。例えば、『オーバーロード』、『黒の召喚士』、『転生賢者の異世界ライフ 〜第二の職業を得て、世界最強になりました〜』(㊟日本原題は長いが英語版タイトルは『My Isekai Life』で短い)などは、ごく普通のタイトルです。
これらのタイトルが短い作品には、それぞれ長いタイトル名の流れに逆行する理由があるのでしょう。ひとつには、作者が自分の作品に自信を持っている、あるいは優れたイラストレーターがいるため、わかりやすいタイトルが必要ない、ということが考えられます。

あるいは、作者が長いタイトルの流行を好まず、もっとオーソドックスなものを好んだのかもしれません。その場合、短いタイトルは、今となってはむしろ目立つので、再び読者へ訴える力を持つようになります。そうすると、説明的な表現が少ない短いタイトルのものが、一周回って逆に効果的になるという事です。
また、異世界アニメの中には、原作がマンガであったり、オリジナル作品だったりするものもあり、決してライトノベルだけが突出しているわけではありません。例えば、部分的異世界作品のエデュテインメント(娯楽教育)アニメである『Dr.STONE』は、もともとメインストリームの人気マンガであり、ファンを引きつけるための長いタイトルは必要ありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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