ねん寸劇 【視える人】 体験者 狐火郎/ねんへし
これは、私がまだ勤め人として働いていた頃の話です。
何だか知りませんが、そこの会社は『え?入社試験、もしかして霊能力検定か何かなん?』
と思うほど普通に霊の存在を感じる人が多くおりました。
なので、こんな会話もしょっちゅう・・・。
そんなある日、新しくパートさんが入社してきました。
いわく、彼女(女性です。)には幽霊が生身の人間と変わらない様に見えているらしいのです。
『それは、さぞかし人口密度が大変なことになってるのでは・・・?』
と尋ねたところ、視えないようにもコントロールできるので問題ないとのことでした。
別に幽霊が視えるからと言って別段変わったところもないので普通に仲間として一緒に働いておりました。
2年ほど経った頃でしょうか。
彼女は身ごもり退社することとなったのです。
で、送別会を開くことになり、会場はいつもの通り社内の一角に設置されたパーティールーム。
この会社はカラオケ、麻雀、バーカウンター完備のまるでおっさんの遊園地の様な謎のパーティールームがあり、歓迎会、送別会などによく使用されてました。
でも歌いまくる。
凍りつきましたよ。
部屋に入った直後に、さらっと言い放ったので。
ええ。
そうなんですよ。
まだ会社が出来て間もないころにここで外国人の社員が変死を遂げてるんです。
あばばばばばばばb
これまで、薄っすら半信半疑だった狐火郎は戦慄した。
・・・もうね・・・。
この後はどういうテンションで酒を飲んでたのか・・・。
そして、なぜ私にそんなことを言い放ったのか・・・。
後に、彼女の旦那(同じ会社)から聞いた話では、無事出産して、霊能力も子が立派に受け継いでいるそうな・・・。
霊能力者って本当に存在するんだ~と感じた一連の出来事でした。
とにかくこんな事がよくある会社で・・・謎です。