建築家の孤軍奮闘な日々 -41ページ目

無骨という価値観

昨夜はおじいちゃんとおばあちゃんがうちに泊まるというので、
これはチャンス!と突然思い立って、うちの近所にある
ギンレイホールという映画館の最終上映に滑り込みました。

ギンレイホールは公開が終了した映画を2週間毎に上映する映画館で、
いわゆるミニシアター系の映画なんかもやっています。
しかも、今時二本立て。

昨夜は「剣岳」という映画を見ました。
陸軍測量部が日本地図を完成させるために
前人未到の剣岳に登るという映画で、
主演は浅野忠信、その他香川照之や松田龍平、仲村トオル、役所広司など、
豪華な顔ぶれでした。

ストーリはいたって単純で、
さまざまなトラブルや事故にも負けず山に登るというもの。
家で寝転がって見ていると途中で寝てしまうのはないかという感じでしたが、
大自然の映像が大画面の迫力で迫ってきて、寝てる場合じゃなかったです。
物語の展開もしっかりとして、良い映画でした。

しかし、俳優やストーリや映像よりも、
ボクはこの映画の無骨さに感動しました。
それは監督の映画作りそのものだと思いますが、
近年のものづくりはフェミニンな空気で満たされています。
建築もしかりで、先日プリツカー賞を受賞した日本人女性+男性建築家は
日本の建築界から、特に若い設計者や学生から、
男らしさや無骨さ、迫力、重厚などという価値観を奪ってしまいました。

見た目なよっとした男性の建築家が、
ふにゃふにゃしたスケッチを描くのはしょうがないとして、
いかにもゴツくて見た目体育会系の建築家がかわいいスケッチをするのは、
ホントにそれでいいの?ってどうしても思ってしまいます。

「剣岳」で表現されているのは、
命をかけて山に登る男達と彼らの心を支える家族です。
そういう普遍的なものが迫力のある映像で小細工無しに無骨に表現されています。
本当にかっこ良かった。

ボクが無骨な人間ではないから特に憧れるのかもしれませんが、
単純で普遍的なことを小細工無しに無骨に表現したいと、最近よく思います。
それがカッコいいと。

だから、住宅雑誌や建築雑誌をしばらく見ないようにしようかと思います。
そこにはメディアに選別された今風の建築がたくさん掲載されていて、
ついつい、カッコいいなあって思ってしまうから。

無骨というのは決して新しい価値観ではないけど、
既成の価値観を見直す事によって新しい価値観を作り出せたらなぁと思います。
もう、みんなそろそろカワイイに飽きてくると思うので、
そのうち来ると思います。

無骨がカッコいい世の中