建築家の孤軍奮闘な日々 -25ページ目

読書感想文?

先日図書館で借りた本
「美学への招待」佐々木健一著
を読んでみました。

難しい美学への入門書というよりは、
彼の考えていることを一気に書いた感のある読みやすい本でした。

その中では、芸術の捉え方の関する記述が気になりました。
現代の音楽や美術はなんとなく捉えにくいなあと
思っていたのですが、
現代芸術と近代より前の芸術との間には
美しいという意味のギャップがあるというのです。
つまり、芸術に対する捉え方が違うらしいのです。

だから現代芸術を「上手だねえ」とか「奇麗だねえ」とか、
そういう判断で見ていては分かるはずも無いというわけです。
まあ、そりゃそうでしょうね。

現代芸術は見た目の奇麗さや巧みさではなく、
裏にある精神性が重要なのだと著者は言っていますが、
どうやら、美しいという訳語がまずいという
考え方があるようで、本来日本語の「美しい」に当たる語には、
「すごい」という意味も含まれていたようです。

つまり、現代芸術に必要なのは、
優れた精神性、つまり、メッセージと、
「すごい」=「美しい」と思わせることとなります。

ただ上手につくるだけだと、
それは芸術家ではなく職人ということなのです。
納得。

これはもちろん建築にもあてはまるように思います。
これまでは、奇麗につくりたいとか、
上手につくりたいと思っていましたが、
現代の建築家としては、職人にならないためにも、
優れた精神性をもって、
すごい!をつくらないといけないわけですね。

近頃、上手につくることに関して疑いを持っていたのですが、
この本を読んで手応えを感じました。
上手や奇麗でなくても美しいものがつくれるのです。

どのようなベクトルに向かうかは人それぞれでしょうが、
ボクなりの美しい建築ができるといいなあ。