台湾三大都市伝説? の一つに数えられる、

「台中の幽霊船」伝説。

 

「都市伝説」という言葉から分かるように、

歴史のある話ではなく。

 

その分、深みもない気がします。

 

何故船なのか?

何故定員は108人なのか?

 

余り説得力のある答えはなく。

 

場合によっては、

定員100名で、

もう満足して帰って行った、

というのもあるし、

 

台中以外の場所に出張しているのもある。

 

「幽霊船」の行動そのものには、

必然性も何もなく、

正直、全く恐怖を感じません。

 

ただ、その起源に関しては、

台南のあたりに、

古くから存在する怪談「採船」にあるようで。

 

これは真の時代、

伝染病か何かで、

若くて健康な男子が、

突然死する出来事が相次いだ時に、

 

「王(神)の船が、丈夫な漕ぎ手を求めていたからだ」

という噂が立った、

という出来事に、端を発しているようで。

 

死者が漕ぐ幽霊船が、

新たな死者を求めて漂う、

というイメージは、

確かに多少恐ろしいものがあります。

 

 

とはいえ。

 

やはりこの話のポイントは、

「火事が多すぎるだろ」という所であるのは間違いない。

 

台中の狭い範囲内、

かなり注意をしていた筈なのに、

僅か三年で、合計107名もの焼死者を出す。

 

この事実はかなり怖い。

 

しかも。

現在ですら、

違法建築だの、消防法無視だの原因で、

大火事になってしまった例は非常に多く。

 

昨年もカラオケ店の大火事、

工場の大火事などがありましたし。

 

とにかく、

開かない非常扉、

機能しない消火器、なんてざら。

 

私自身、何度も火事を目撃していますし、

一度などは、

二軒隣の建物が焼け、

大慌てで避難したこともあります。

 

 

台北にある私の会社においても、

登記の際に、

消防法に基づいて、

非常に高価な消防器具を買わされた上に、

全面的な改装を要求されたりしたのですが。

 

それ以降は、

年に一度、消防局の検査はあるのですが、

滅茶苦茶おざなりなチェックをして終わり。

 

「消防法」などという、

商売の邪魔になるような法律、

まともに施行されてはいません。

 

 

あやふやな「幽霊船」などよりも。

 

 

実際に防火しようという意識もなく、

非現実的な消防法を制定する政治家と、

 

その法律のお陰で大儲け出来る、

消火器具業者や改装業者との間の、

 

「癒着」の方が、はっきり見えてしまうようで。

 

こちらの方が、本当に恐ろしいです。