二〇〇六年から、二〇一五年にかけて、
足掛け十年に渡り、
かなり騒がれた事件です。
詳細が判明した筈の、この事件ですが、
いまだ不明な箇所も多く、
五年以上たった今でもニュースで取り上げられることのある、
かなりもやもやの残る話です。
何故長女は意識があったのに無抵抗で縛られたのか?
何故妻は犯行現場を撮影したのか?
何故夫は救助を求めるようなメッセージを残したのか?
何故彼らは一気に全ての子供を殺さなかったのか?
何故彼らはどうせ死ぬのに子供達とは別の場所に行ったのか?
何故彼らの車は駅前に放置されていたのか?
それら様々な疑問に加えて、
何より、彼らはそれほど追い詰められていた訳でもないのに、
何故夫婦は、
五人の子供を殺すという、
あり得ない程の残虐な行動に出たのか?
保険金殺人、という単語が浮かびますが、
そこに言及した報道はひとつもない。
これらのことを、真剣に考えていると。
どうしても、浮かんでしますのです。
台湾ヤクザが、背後にいるのではないか、と。
台湾社会において、
ヤクザにはかなりの存在感があります。
昭和中期までの日本と同様に。
ですから、
私のような小さな商売をしている人間ですら、
ヤクザの嫌がらせを何度か受けたことがあるほど。
警察よりも権力を持つ彼らが、
裏にいたとすれば。
借金を返さない彼らへの見せしめとして、
子供を自ら殺させた上に、
拉致して恐怖を与えた末に殺した、
などなど、
この事件の謎が幾つか説明できます。
ただし勿論、何の根拠もない、ただの想像であり、
何といっても、
もしそうであったとしても、
まるで説明のつかないポイントは無数にあり、
結局のところ、理解が出来ない事件である、
という結論以外には出しようがない。
とにもかくにも。
はっきり分かることは、
台湾社会には、まだまだ深い闇がある、
ということだけでしょう。
この事件以外にも、
以前に書いたような、
ホテルで一気に五人殺した三人組や、
有名な「白曉燕誘拐殺人事件など、
陰惨な事件は、まだまだ数多く。
夜でも明るい台湾、
人々は優しく、治安の良い場所、
というイメージの人が多いでしょうし。
コロナを完璧に封じ切った、
優秀な政府がある国、
と思う人も多いでしょうが。
それらも確かに事実ではあるものの、
裏には、
まだまだ深い闇が残されているというのもまた、
疑いようのない事実なのです。