◆小説
「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚きながら振り返った。」
◆村上春樹
「そのときボクはレモンソースでローストしたチキンのサンドウィッチを食べながら缶ビールを飲んでいた。読みかけのロマン・フォードの小説に手を掛けたときーその小説は真夏の午後ビールを飲みながら読むのにピッタリの小説だった(大方のロマン・フォードがそうであるように)後ろで爆発の音がした。それは「爆発的な」でもなく「小爆発のような」でもない、いわゆる完全な爆発の音だった。
僕は後ろを振り返った。 そこにいたのはカンガルー男だった。」やれやれ。
◆柳田國男
遠野郷にてはあやしの音の聞こゆること珍しからず。ある男、茸を採るとて奥山に入りしに、背中よりどおんと言うけたたましき音聞こえ胸を轟かしたることあり。振り返り見ても何事もなし。男は恐ろしくなりて急ぎ山を下りて遁げ帰りぬ。 天狗なめしのごときものならんか。
◆宮沢賢治
グララアガア グララアガアという音にオツベルはガタガタと震えだす。
振り返ると、五匹の象が一ぺんに、塀からどっと落ちて来た。
◆三島由紀夫
突然、物の裂ける恐ろしい音がした。 そのとき、私は自分が石に化してしまったのを感じた。意志も欲望もすべてが石化した。 外界は、私の内面とは関わりなく、再び私の周りに確乎として存在していた。 世界がこんな美しかった瞬間は、二度とあるまいと思わずにはいられなかった。
しかしそれが続いたのは、思ったほど永い時間ではなかった。 振り向くとおびただしい煙が、大そうあっけなく、私の前にその全容をあらわした。
◆ドストエフスキー
そのとき、彼のうしろから爆発音がした。彼の顔は瞬時に真っ青になった。
しばらくのあいだ立ちすくんでいたが、そんな自分を恥じるかのように
「――ちぇっ!爆発音なんかが、このおれに一体なんの関係があるというのだ」
と独りごちながら、ゆっくりとうしろをふり返った。
◆青山繁晴
「私たちの知らない間に、大規模な爆発がおきました。 そこで、僕があえて皆さんに言いたい事は、僕達一人一人が!危機意識をもって振り返らなければならないという事です!」
◆石破茂
「爆発があったと仰られましたが、それは火薬のように燃焼を伴うものなのか
水蒸気爆発のように相変化と体積変化のみによるものなのか、
対応にあたってまずそこを明らかにしないといけません」
。。