池袋で電車に乗る。私の前に背の高い神経質そうなオヤジが立つ。私は線維筋痛症のため、歩くこともままならないので杖を持っていた。

 ちっ!聞いていたスマホの音楽は気持ちを愉快にさせてくれたけど、バッテリーが底を尽きていた。なので音楽を切り、スマホをカバンの中にしまった。そしてその次の駅が来た。

 私は横浜で降りるので当然その駅では降りなかった。すると目の前のオヤジは

 「降りるフリなんかしやがって」と私に呟いた。座りたかったのだろう。そしてスマホをカバンにしまった私の動作を見て降りると勘違いしたのだろう。

 そうですか、そうですか、そうですか。
 私はそんなフリをするほど心は汚れていない。にもかかわらずこのオヤジは私の心が汚れているのだと暗に言っていた。
 仕方ない、永遠に立てないようにしてやろうか?と私は思う。電車の中だから素早く誰にも気づかれないようにやらなければならない。私はそっと大きめのカッターをカバンから出し、少しかがんでオヤジのアキレス腱を深く切る。
 オヤジは思った以上に悲鳴を上げ、私の方に倒れ込んだ。そのオヤジを私は押し返すとオヤジは尻餅をつく。周囲の人は何があったのかと騒ぎ出す。
 私は次の駅で降り、何事もなかったかのように振る舞った。

 言っておくが私は「電車で座っていて、次の駅で降りるフリをする真似なんかする類ではない。そんなものは腐った根性の持ち主だ。私は至って純粋なのだから。」

 これは池袋に仕事に通っていた時の話。
 私はこのように夢想していた。

 夕飯を食べた後に疲れてしまったので半沢直樹が始まるまで寝ようと思ったが、半沢直樹が終わるまで寝てしまった。
 残念。歌舞伎役者たちの歌舞伎らしいわざとらしい演技が見たかったのに。

 次回を楽しみにしよう。