避妊手術・去勢手術・麻酔の手順は
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 1.麻酔前全身チェックと手術の説明
 2.静脈留置(点滴準備)
 3.血液検査
 4.点滴開始
 5.麻酔前酸素化
 6.麻酔前投薬
 7.麻酔導入
 8.気管(チューブ)挿管
 9.モニター機器装着
 10.剃毛と術野の消毒
 11.術者の消毒と手術衣
 12.手術
 13.術中麻酔管理
 14.麻酔離脱
 15.リカバリー
 16.術後管理と退院
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の順で行います.

  通常なら手術が終わり20分もすると

  立ち上がって歩くようになります.

  しかし、退院までが手術ですので

  気を抜くことはできません.

  人と違って動物は、手術に対して「嫌な事された」という

  印象しかないはずですので、術後は少しいらいらして

  点滴を咬みちぎったりすることがあります.

  かい動物病院-退院2
  この子は乳腺腫瘍の手術をした次の日の散歩ですが
  人間不信もなく、今も元気に病院に来てくれています.
  傷が大きい場合は腹帯をしますが、通常は絆創膏のみです.

  かい動物病院-退院1
  手術の次の日にご飯を食べてくれるとホッとします.
随分間が空きましたが続きです.

避妊手術・去勢手術・麻酔の手順は
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 1.麻酔前全身チェックと手術の説明
 2.静脈留置(点滴準備)
 3.血液検査
 4.点滴開始
 5.麻酔前酸素化
 6.麻酔前投薬
 7.麻酔導入
 8.気管(チューブ)挿管
 9.モニター機器装着
 10.剃毛と術野の消毒
 11.術者の消毒と手術衣
 12.手術
 13.術中麻酔管理
 14.麻酔離脱
 15.リカバリー
 16.術後管理と退院
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の順で行います.

  リカバリーは特別なことをするのではなく

  まず体温が下がらないように保温し

  動いても怪我しないところで立ち上がるまで見守ります.

  15分おきぐらいにスタッフが交代で犬舎に見に行くこと

  もあります

  通常は退院するまで点滴は続けます.

  かい動物病院-リカバリー1

  かい動物病院-リカバリー2
避妊手術・去勢手術・麻酔の手順は
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 1.麻酔前全身チェックと手術の説明
 2.静脈留置(点滴準備)
 3.血液検査
 4.点滴開始
 5.麻酔前酸素化
 6.麻酔前投薬
 7.麻酔導入
 8.気管(チューブ)挿管
 9.モニター機器装着
 10.剃毛と術野の消毒
 11.術者の消毒と手術衣
 12.手術
 13.術中麻酔管理
 14.麻酔離脱
 15.リカバリー
 16.術後管理と退院
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の順で行います.

透視手術が全て終了するか、終了の数分前頃から

  麻酔からの離脱を始めます.

  徐々に吸入麻酔の濃度を下げていく場合と

  早く醒めさせるためには、麻酔濃度をすぐにOFFにします.

  $かい動物病院-Dial
  麻酔濃度を”Off”にしたところ

手順1:まずは麻酔器内の麻酔薬を酸素で洗い流します.

  要するに、これ以上麻酔薬を少しでも吸わせないように

  するためです.

  $かい動物病院-再呼吸バック
  この再呼吸バックと下の02フラッシュという装置を使って

  麻酔薬を洗い流します.

  $かい動物病院-o2flush
  これがO2フラッシュのボタン

  $かい動物病院-popoffvulb
  そしてこの操作の時に重要なのがこのPopOffバルブ

  と言う部分です.

手順2:次に麻酔動物の体(肺)に留まっている麻酔薬を

  麻酔器の酸素で洗い流す操作です.

手順3:これらの操作を2回ほど繰り返すと
  
  麻酔器内も動物の体にも麻酔薬がほとんど無い

  状態になります.

目この状態でしばらく見守ります.

  通常であれば、3~5分ほどで目をパチクリさせたり

  足に刺激を与えると動かそうとします.

  そのうちに心拍数も呼吸数も上がってきますので

  そうすると必ず二人がかりで、一人が動物の顎を開き気味に

  保定し、もう一人が気管チューブやバイトブロックを

  すばやく外します.

この後は...リカバリー...に入ります.
また後日...

避妊手術・去勢手術・麻酔の手順は
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 1.麻酔前全身チェックと手術の説明
 2.静脈留置(点滴準備)
 3.血液検査
 4.点滴開始
 5.麻酔前酸素化
 6.麻酔前投薬
 7.麻酔導入
 8.気管(チューブ)挿管
 9.モニター機器装着
 10.剃毛と術野の消毒
 11.術者の消毒と手術衣
 12.手術
 13.術中麻酔管理
 14.麻酔離脱
 15.リカバリー
 16.術後管理と退院
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の順で行います.


目手術中も動物の麻酔状態の監視をしなければなりません.

  心拍数・呼吸数とその様子・血圧・体温などはバイタル

  と言って最も重要ですが、その他、体の反射状態から

  麻酔の深度を読み取る作業をします.

  $かい動物病院-puls
  これは以前にもお見せしましたが

  パルスオキシメーターというもので

  心電図・心拍数、呼吸数、動脈内酸素分圧、血圧

  などが読み取れます.

  $かい動物病院-opereco
  実際には麻酔記録というものを記入します.

  $かい動物病院-opereco1
  内容はこの様なもので

  動物の種類と年齢や手術内容、血液検査結果などを

  はじめに書いて

  $かい動物病院-opereco2
  呼吸数、心拍数、体温、点滴量をグラフにして書きます.

  これで、バイタルが上がっているのか下がっているのか

  一目瞭然となります.

  これは外回りスタッフ、特に動物看護師が記入します.

  $かい動物病院-test
  これは麻酔中の動物の様子と麻酔深度を比べる表です.

  以前、私が看護学校の講師をやっていた頃に

  よく試験に出しました、その時の試験問題です.

  呼吸の様子や瞳孔の大きさ、反射や脈の様子で

  麻酔の深さが分かる表なのです.
  
  とても大事な表です.

さて次は麻酔を覚めさせることになります.
また明日.....
避妊手術・去勢手術・麻酔の手順は
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 1.麻酔前全身チェックと手術の説明
 2.静脈留置(点滴準備)
 3.血液検査
 4.点滴開始
 5.麻酔前酸素化
 6.麻酔前投薬
 7.麻酔導入
 8.気管(チューブ)挿管
 9.モニター機器装着
 10.剃毛と術野の消毒
 11.術者の消毒と手術衣
 12.手術
 13.術中麻酔管理
 14.麻酔離脱
 15.リカバリー
 16.術後管理と退院
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の順で行います.


  $かい動物病院-1
  右の卵巣の血管処理をして卵巣を切離しているところ

  $かい動物病院-2
  つぎは左側の卵巣子宮の処理となります.
 
  $かい動物病院-3
  これで両方の卵巣を体から遊離した状態になります.

  Yの字の端(右側)の小豆大の丸いのが卵巣です

  避妊手術と言っても、卵巣だけを切除する病院もあります.

  当院では将来残った子宮に異常が起きる可能性もあるので

  卵巣子宮摘出術を行っています.

  $かい動物病院-4
  これは子宮の頸管部を切離しているところ

  これで完全に切除できました.

  $かい動物病院-5
  しかし、この様に、最後に子宮切除部に出血はないか

  を慎重に確かめます.

  一番上のピンセットで切った端を持っています

  この場面が最後のポイントになります.

  出血がなかったら、後はお腹の中を洗って縫合です.

  $かい動物病院-6
  腹壁の筋膜(正中線)を縫合したところ.

  動物の体はお母さんのお腹の中で成長する時に

  脊髄から始まって両側の腹壁と皮膚が延び

  最後にお腹の中心で両側の組織がくっつくように

  体が作られます.

  ですから、お腹の中心は正中線と言って

  血管がほとんど無く、筋肉もありません.

  お腹の手術はここを切るのが一番良いのです.

  $かい動物病院-7
  これは皮下織を縫合して、皮膚を埋没縫合しているところ.

  全て吸収糸で縫合しています.

  そして、皮膚を縫合し終わり完了します.

  $かい動物病院-8
  当院ではこの様に縫合糸を表に出しません.

  表に糸が見えていると、動物はどうしても気にします.

  この様に、吸収糸で特殊な方法で縫合すると

  動物への負担も少ないように思います.


でもまだ手術が終わった訳ではありません.
麻酔を覚めさせてあげなければなりません.
また明日.....
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