彼女に対して自分の想いを伝えようと決意した僕は、

いつ、どんな状況で告白するかを考えていました。

どういう流れで告白するのが自然なのかな、とか、

わからないことだらけで不安でいっぱいでした。


その後、会社で一緒だった時から彼女とずっと話をしていた、

キャッチボールをすることになりました。

それは初めて彼女と休日に会う約束をしたということでもあり、

僕の中ではその日に告白しようという気持ちが固まっていました。


「伝えたい 伝えずにはいられない

後悔しないために 自分の正直なココロを」


そしてその日を3日後に控えた夜のこと、

彼女の携帯から着信がありました。

彼女は会社の直属の上司と飲んでいたところで、

急にこう言われました。

「上司が話をしたいって言ってるから電話代わるね」、と。


そこで僕は自分でもよくわからない、不思議な感情を経験したのです…

彼女と3度目の食事。

この時はそれまでよりも深く恋愛の話をしました。

お互いの恋愛観や結婚観を語り合い、

いつものようにあっという間に時間が過ぎていきました。


そして僕は彼女に対してこう切り出しました。

「今好きな人がいるんですけど、

なかなか自分の気持ちが伝わってないような気がして…

どうやったら振り向いてくれるんですかね?」と。


僕の中では、目の前にいる彼女に対して

『自分の気持ちに気づいてほしい』というサインだったのですが、

彼女にとっては言葉通り、普通の恋愛相談のように

聞こえてしまっていたようです。


『好きでたまらない。

だからこそどうしたらいいかわからない。』


そんな気持ちを彼女にぶつけたつもりが、

結局は一人で空回りしていました。


「やらなかった」ことがないように、

彼女に対して後悔しないように、

自分の気持ちを正直に伝えたい、

告白したいという気持ちが

僕の中でどんどん大きくなっていたのですが、

その日もまた自分の気持ちを彼女に伝えることが

できずに別れることになってしまいました。


この時から僕の中では

「いつ、どこで、どんな言葉で」

彼女に想いを伝えるかばかりを考えるようになっていました。


そしてそれは運命の時が近づいてきている証拠でもあったのです…

彼女と3度目の食事に行く前に、

僕は社会人野球の遠征で足利に行っていました。

そこで相田みつをさんの作品に触れる機会がありました。


それまでも何度か相田さんの作品を目にすることはありましたが、

僕自身が何かを強く感じるところまでには至りませんでした。


しかしこの時はそこで相田さんのいろいろな作品に触れる中で、

自分の現状や感情に合う言葉がいくつもあり、

ココロを揺り動かされました。


その時一番ココロに残った言葉は、

「やれなかった やらなかった どっちかな」


この言葉は社会人野球の世界に身を置く自分にとっても

非常に奥の深い言葉なのですが、それと同時に

彼女に対しての行動にも全く同じことが言えるな、と感じました。


ここまで大事に想えた彼女との関係を深くするためには、

自分のやれることはすべてやりたい。

彼女に対して「やらなかった」ことが無いようにしようと

決意したのでした。


思えば会社で隣の席だった一年間、そして空白の二年間、

この三年間は「やらなかった」ことが多すぎました。


「もう立ち止まらない

 あなたに向かう真っ直ぐな道を

    偽らない素直なココロで」


そして僕たちは3度目の食事に行きました…