運命の日…

僕はお昼前に彼女の家まで迎えに行き、

近くにある大きな公園に向かいました。

グローブとボールを持って。


そして芝生の広場でキャッチボールを始めました。

なかなか思ったとおりに上手く投げられずに

悔しそうな表情を浮かべる彼女を見ながら、

楽しさと告白への緊張で複雑な心境になっていきました。


「この楽しさがこれからも続くのか

  それとも今日で終わってしまうのか

   怖いけれど一歩を踏み出さなきゃ

       じゃないと何も始まらない」


彼女はとても負けず嫌いな性格のため、

思うように投げられないうちは終わりたくないといった感じで、

気づくとあっという間に開始から4時間が経っていました。


その後、車で食事に行こうかと思っていましたが、

まだ時間が早かったこともあり、

食事の前にどこかに寄ろうという話になりました。

そこで彼女が、僕の家に寄ろうと言いました。


急な話だったので、さすがに一瞬戸惑ったものの、

自分の部屋で彼女と時間を共有できる喜びを感じ、

車を自分の家へと走らせました。


そして家に上がった僕たちは話を始めました…



『僕は彼女のことが好きです。

 次に会った時に告白しようと思っていました。

 もうその気持ちを隠すつもりもありません。』


すると上司はこう言いました。

『やっぱりそうか。

 じゃあ勇気を出して告白しろよ!

 おれは大丈夫だと思うぞ。

 おれは二人のことを応援してるから!』


僕は彼のその言葉のニュアンスで、

彼女が自分のことを気に入ってくれているのかもしれないと感じました。


すると次の瞬間、ガタガタと身体全体が震え始めました。

それは今までに経験したことが無いような激しいもので、

携帯で話をしながらも、相手にその音が聞こえているんじゃないか、

自分の言葉が相手に伝わらないんじゃないかと思うほどでした。

しかしそれだけ激しく震えているにもかかわらず、

それがどのような感情からきているのか、

自分自身でもよくわからないような状況でした。


「ずっと憧れだった彼女が近くにいる

 手が届かないと思っていた彼女が僕の近くに

 新しい一歩を踏み出すのは今しかない」


その後僕は彼女の上司に御礼を伝え、電話を切りました。


そしてついに彼女との約束の日を迎えました…

電話口に出た彼女の上司は挨拶もそこそこにこう切り出しました。

「今度彼女とドライブしにいくみたいだけど、

 どういうつもりで誘ってるんだ?」

上司はさらにこう続けました。

「あなたの真意がわからなくて彼女がすごく気にしているぞ。

 普通は、好きでもない女の人を休みの日に

 ドライブに誘ったりはしないよな?

 彼女からいろいろとあなたの話を聞いていて、

 おれにすごく似ている人だと思った。

 だからおれにはあなたの気持ちがわかる気がする。

 彼女のことが好きなんだろ?」


「彼女が僕の気持ちを気にしている…?

    僕も彼女の気持ちを知りたい

        自分の気持ちを伝えたい」


僕が突然の展開に戸惑っていると、彼はさらに、

「彼女はおれのかわいい部下だし、

 おれはあなたたち二人を応援したい。

 好きな人に気持ちを伝えるのは勇気がいることだから、

 もしおれに手伝えることがあるんだったら言ってほしい。」

こう言った後、もう一度僕の気持ちを聞いてきました。


ここまで言ってくれる人に対して遠慮する必要はないと感じた僕は、

彼に対して自分の気持ちをぶつけることにしました。

そして不思議な経験をするのです…