今日はコメディドラマ映画の「最高の人生の見つけ方(米」とソレを原作とした同タイトルの日本版の失敗リメイク映画です。


今回は実質残念映画紹介なので、ほとんどは日本リメイクの愚痴です。

国ごとの特色ってわざわざ入れようとしなくても、演技や演出で勝手に出るものなのに日本っぽさを出した改変をした結果大失敗してますね。


元の映画は確か2007年の映画で非常に面白かったです!

日本版は残念ながら「それがいる森」よりも少しマシ程度の出来です。点数としてはそれ森を3点(100点満点中)とした時、こちらは15点くらいですかね。こう書くとかなりマシですね。


どちらもネトフリに入っており、元の映画(1時間半)の方は字幕しか無かったように思いますが観て欲しい〜!

日本リメイク版は観るなら「覚悟」を決めて観てください。1時間50分の映画で面白いの15分くらいしか無いので!!



・内容(元の映画

ガンになってしまった金持ちと庶民がひょんなことから同室に!

なんだかんだと打ち解けた二人は死ぬまでの残り時間を有意義に使おうじゃないか!と世界を股にかけて遊びを満喫!

充分楽しんだ後は家族と仲良く過ごし、ハッピー棺桶イン!

最後は二人仲良く違法🪦墓に入って終わり!



・元の映画の感想

こういう映画はなんぼあっても良いですからね!

最強の二人やグリーンブックみたいなアレですね!

身分とか地位とか人種とか種族とかの違う人間が仲良くなって友情を育む…!くぅ〜!たまらねえぜ!


キャラ名忘れたんで、フリーマンとニコルソンて呼んでいくわね。

庶民代表のフリーマンが最初の方は乗り気ではないが、遊んでいるうちにノッて来てニコルソンとカーレースで打ち負かしたりする流れが本当に好き。どんどん解放されて行き、解放の先に元に戻る感じが良いよね。

根っからの善人というキャラが分かりやすく、お金を出してもらっている側だが観ていて全然気にならない。

先に死ぬ。


金持ちのニコルソンは、その強引さなどで庶民を連れ回す側で行動の破天荒さで「自分の為にやっている」という感じがとても分かりやすくて良かった。特に相手の為と思い始めた時には「遊び」よりもフリーマンの体調や家族のことまで気になり始めて「家に帰さなきゃ」となっていくのが良い…!

後から死んで弔辞(?)を読む。泣けるぜ。

そのまま、骨になって違法🪦墓に入る。


全体的にテンポが良くて観やすい、分かりやすい、面白い、そして積み上げてきたものをきちんと回収してくれるので後味が良い。


ニコルソンの秘書が良い味を出しており、感情をそれほど出さないがニコルソンとジョークを言い合ったりすると笑顔になるのが本当に良い。

友達と親子の間みたいな関係性で、ニコルソンと秘書の掛け合いもとても良い☺️


映画って良いもんだなぁ〜!としみじみと思った作品でした。観てください。




・日本版リメイク映画(2019年)の方

見始める前は「元の映画くっそ面白かったから…元の映画の8〜9割くらいの面白さではお出しして欲しいなぁ!」と期待値を下げきれなかったのが敗因ですね。邦画に期待するなバカ

始まって30分、テンポが悪い!!となり「それがいる森」が頭をよぎり始め、ギリギリそれ森よりはマシだな、という気持ちにはなるけど、吉永小百合が嫌いになりそうでした(役者は悪くないけど)。いや、もう嫌いかもしれねえ。2024年5月、私はアークシステムワークスと吉永小百合が嫌いになりました。


ムロツヨシとあまみゆうきのキャラはまあまあでした。

それ以外は本当にカスで困った。

日本の悪いところを集めて煮詰めた様な雑みが強い映画です。

コメディ要素が好意的に見積もっても2割程度しかなく、真面目なシーンでジョークを挟んで面白くする様な事もなく、ただただつまらないテンプレくそ家族の茶番を掘り下げないままやるので上っ面だけの薄っぺらい展開が1時間半続くという拷問を受けました。


比べるのが烏滸がましい映画に仕上がってしまっていますが、元の映画と比較して悪かったところを書いていきます。


積み上げが少ない。テンポが悪い。

今回の悪かったところは、この二つに尽きますね。

特にテンポの悪さは「日本らしさが出てる〜!」となりました。要らない引きからのシーンとかが多い多い。初手でスーパーの店舗を舐める様なシーンから始まった時点で「あ、この映画ヤバいかも」と思いましたが大当たりでした。当たらないで欲しかった。

それ以降も、元の映画ではなかった「無駄なシーン」と「間延びしたシーン」のオンパレード。

そこに薄っぺらい人間ドラマを投入なのでテンポが死んでました。


積み上げの方は、元の映画では同室になったのでお互いに仕方なく話したりしてるうちに少しずつ打ち解けるエモエモシーンで友情が積み上がって行きます。

日本版では病室での二人の会話シーンがほぼなく、何故か「病室でその話しておけよ!?」という話を後半に突然し始めたりします。なので二人が友達かも怪しいままダラダラと進んでいくので本当に面白みがありません。構成がヘタクソすぎか?

そして、病室での会話が少ないせいで「ひょんなことで出会う」まではクリアしているのに「二人で仲良くなって旅に出る」の流れが「そうはならんやろ!!!」となり、その後もずっと「そうはならんやろ」と「臭すぎ展開でゲロ吐きそう」と「元の映画をちゃんと再現しろ」という文句が出続けました。ハリウッド版ドラゴンボールを馬鹿に出来ねえぞ?


要らない要素の追加が多い割にまとめ方が強引。

 元の映画の庶民代表フリーマンの家庭は「夫婦円満、家族仲良好、孫にも愛される、浮気もした事ない根っからの善人」という、コメディを邪魔しないし最低限の描写で済むし、オチにする為の積み上げとしてフリーマンの嫁が何かと電話して来たりと本当に丁寧で分かりやすい。

 日本版では家庭が壊れてる専業主婦が家から居なくなるという事実でダメ夫とヒキニート息子が立ち直る!というダメ男に都合の良い道具としての機能が強すぎてコメディとの相性がバツ。というか、シンプルにキャラクターが薄っぺらく臭いだけで面白くない反吐が出る🤮

特に吉永小百合の昔ながらの我慢ばかりの専業主婦、というキャラが現代的には全然普通ではないし言動が本当に吉永小百合家族全員がダメなテンプレで気持ち悪い上にキャラが薄いからコメディに参加すると中高生の考えるお笑いレベルまで笑いの質が下がるので「存在してない方が良いキャラ」と化してました。吉永小百合の娘がかなりマシでしたが、もっと強い女性として描かれて欲しかったですね。きっぱり家族との縁を切るくらいやって良かったでしょ。いや、それやるならまず存在してなくて良かったな。


あまみゆうき一人で秘書のムロツヨシ連れ回して馬鹿騒ぎしてる方が200億倍楽しい映画になってただろ!良い加減にしろ!!


二人が旅に出る流れの差

 元映画では庶民マンが棺桶リストを作ったがする為の時間も金銭的余裕もないからと丸めた紙を金持ちソンがたまたま拾って嫌味を言いつつも「悪くないやん。俺と一緒に余生を満喫しようや」と誘ってくれます。

 日本版では糖尿病で死んだ少女の棺桶リストを見つけて二人で「そういうのもあるのね」と流した後、吉永小百合が後からあまみゆうきに電話で「私、このリストを埋めてみようと思うんです」と謎の決意表明だけするんですね。

で、何故かあまみゆきが「ちょっと待った。それ、私も乗るわ」と。…????

出来もしない決意表明だけの電話の時点でもう流れが出来てなくて気持ち悪いのに、まだそれほど仲良くなってないあまみゆうきが金を出すわぁ!って言い始めるの本当キツい展開。

まあ、この後面白ければ許せたレベルの話ではあるんですがね…


日本版は積み上げが出来て無さすぎる。

 元映画では病室での仲良くなるシーンが丁寧で、多少の距離感はありつつも共通の趣味の話などで盛り上がったり、お互いに触れられたくない話(弱み)を認識したりするんです。

 日本版は何故かそのシーンが短い。しかも、その仲良くなる為の丁寧な展開、イベントが何故か仲良くなった後にする「旅行中に発生」してテンポをぶった斬ります。仲良くねえのになんで一緒に旅行してんのコイツら?ってなるし、そうなると上っ面だけの関係でブラブラしてるだけにしか見えず、気味が悪い。

特に酷かったのは吉永小百合が退屈な専業主婦人生を馬鹿にされて急に怒り出すシーン。

これ、病室の時点でやっておいて、あまみゆうきが吉永小百合の嫌がる事の線引きが出来ていないとイケナイんですよね。

だって、病室の時点で、なんなら同室になった初手で成金あまみが絶対に軽口で「貧乏人の退屈な専業主婦とは違って〜」って吉永小百合を激怒させる筈じゃん。後半まで言ってなかったの?!となるし、後半まで怒ってなかったのに今更流れを切ってまで入れるシーンか?となる。

吉永小百合が「我慢をやめる」という流れだよ、と言われたら、キャラデザの時点で失敗しているので流れを損なうくらいならこんなシーン入れるな、となる。


全体的に丁寧に長くやってほしいシーンがカットされ、要らないシーンや間延びばかり目立ちました。

個人的にこの映画に馬鹿にされてると感じた間延びシーンは

ピラミッドに見惚れて足の裏ヤケドのシーンですかね。

ピラミッドに見惚れるまでは良いんですよ。その後のババアが小学生みたいに馬鹿みたいにはしゃぎながら水と氷ぶっかけられんのは苦笑いでした。怪我したなら主婦として正しい知識と対処法で処置しろ、となりました。

年齢を取った人間特有の「落ち着きと冷静さから来る静かな笑い」みたいなのは無いのに、こういう「はしゃいでる人気役者見せときゃ観客も喜ぶだろw」みたいな製作陣の客を舐めてる様な笑いは本当に腹が立ちます。

私はもっと、悪いイメージの京都人同士の「迂遠過ぎる罵倒合戦」くらいの笑いを見たかったし、女同士だとそういう感じの「笑顔でマウント合戦」の方がリアリティがありそうだと思うし、それをコメディ調に仕立ててこそのコメディ映画だろうがよい!

ババアがはしゃいでるのがキツい、と書きましたが、もっと違うはしゃぎ方なら良いんですよ。海外のストリップでイケメンマッチョブーメランパンツに紙幣ねじ込んでキャーキャー言うとか、逆に女性のビキニに入れて「珍しいわね。私アジア系のおばあちゃん好きなの❤️電話頂戴😘」ってされるのとかでもいいし、マリファナ合法国でトリップでも良いし、ジェットコースターでも○が三つのネズミ🐭でもイルカショーでもシュノーケリングでもロリータファッションでも…とにかく!真面目な女性が抱え込んだ欲望がコメディ調に仕立てられて炸裂するのが見たかったんですよ!!!


キャラ設定や展開の価値観が全くアプデされていないので「我慢主婦の幸せはダメ夫の改心」なのとか「ニートは働かせるのが正義」みたいなのとか「親との確執は親に頭撫でて貰えば解決」とか全体的に昭和のテンプレで意外性がなく、気持ち悪さを感じることが多かったです。

ダメ夫が改心したからと言ってそれまでの全てを許すとかありえんでしょ。そこでしっかり「離婚届」を出してダメ夫は孤独死させろ。

ニート息子はハッピーにしたいなら姉の家で専業主夫。

あまみゆうきは頭に乗ったボケ父の手を振り払って「私の家族は友人と会社だ。ボケたジジイじゃねえ」くらいの事言って完全に家族の縁切る。

これくらいの方向でやってほしかったですね。

何度かの失敗は良いですが、家庭や家族でのトラブルの積み重ねを侮って考えてる所、製作陣もダメ男系が集まってるんじゃねえか?

積み重ねを侮るんじゃねえ。しっかりと罰を受けろ。男なら潔く死ね。

映画内での友情などの積み重ねもガバガバどころかスカスカなら、キャラクターの設定すらスッカスカなんですよね。

元はコメディなので、それほど深い設定が無くとも面白ければ良かったのですが…

下手に日本風のつまらねえテンプレを入れたせいで最低な相乗効果が発揮されましたね。


まだまだ文句は出ますが…

最後に問題として、ムロツヨシが元映画の庶民コメディ枠の位置に居た事もあり、吉永小百合が絡むとつまらないので吉永小百合(の演じるキャラ)が居ない方が面白い映画なんですよね。というか、面白いところがムロツヨシの出てくる所だけだし。

そうなると、キャスティング時点での失敗説が濃厚か?

元映画の方から「大御所用意しろ」と言われていたらしく、そこで「吉永小百合」が選ばれたのがまず失敗だったんだろうなぁ、と。

直前に見た「北の桜守」という面白くない映画(こちらは私に合わなかっただけと思える)の主演も吉永小百合でしたが、演技の幅として「コメディ」が似合わないタイプの人に見えました。というか、湿めっぽい感じ?全体的に「臭い」んですね。私は昼ドラとか苦手なので見ませんが、そっち系とか北の国から(これも見てませんが)とかド真面目人間ドラマ作品なら映える演技とかなんだろうなぁーと。

で、そんな人が主演な訳ですからね。脚本とかの方向性がコメディから離れてしまったんじゃねえかなと。





・締め

日本版はももクロが出てきますが、ももクロのライブの邪魔をしてる様にしか見えなくて利権とか癒着とかお金が絡んでるんでしょうが、こう…溜め息でした。シンプルに面白くないシーンなのもキツいっすね。ライブのノリはライブ参戦中だからこそ楽しいんであって、画面越しで、しかも興味ない対象だとテンポ悪いだけなんよ。

別にアイドルに興味は無いですが、オタク系の趣味を「あいつら馬鹿やしこういうの出しときゃ飛びつくっしょw」という感じで制作されてそうなのがムカつきますね。映画制作陣の頭の悪さで出演者や協力ゲストが誰も得しないのはかなしいね。


あまみゆうきがベビースモーカーみたいな設定は我が儘な成金というキャラが分かりやすかったりするので良いなぁとも思いました。

が、急に過去回想で逆上がり出来なくてイジメられたのを克服!つって逆上がりしてからの絶縁状態のボケたパパに頭撫でられてハッピー解決!の展開は心底からゲロを吐きそうになりました。

ベビースモーカー的な方向も「タバコ」よりも「葉巻」とかでもっと強調しても良かったかもです。


日本版では全体的に要らない要素とシーンが多い割に纏まりと展開の丁寧さに欠け、コメディ要素も削られて元映画の面白さも失われています。

その割に時間だけは元映画よりも20分ほど伸びているんですよねぇ…

不思議だなぁ…🤔


日本版は原作の良さを消して、設定とプロットをちょろっと使っただけの駄作ですね!!

2度とリメイク作品作らせて貰えないんじゃない?ってくらい酷い出来。


皆さんは2007年の「最高の人生の見つけ方」だけ観ましょう!!

ニートとの約束だぞ✨


おわり