達磨が木陰に座り休息していると、
頭上から矢を射られた鳥が落ちてきた。
達磨は、その鳥の矢を抜き、ため息混じりで鳥に語りかけた。
達磨「ハァ… お前は前世の因縁によって現世では鳥と生まれたが、
今日 このように矢を受けたのも宿縁(前世からの業)だ。
矢を射た者を恨みに思ったであろうが、忘れることだ。
来世は人と生まれるがよい。 …さぁ行け(手当し鳥を逃がす)」
そこへ、矢を放った猟師が 鳥を探して達磨の近くへやってきた。
達磨「獲物探しか?」
猟師「そうさ」
達磨「一本の矢で何匹獲れるのだ?」
猟師「一匹さ。でも運が良ければ二匹獲れることもあるぞ。」
達磨「そぉか、一本の矢で二匹も獲れることがあるのか。
では、仕留めた獲物が子を孕んでいたとしたら、
相当運がいいわ け だな。」
猟師「そうだな、滅多にない幸運だな。ワハハ(笑)」
達磨「私は一本の矢で何千という命を救うことができるが。」
猟師「(怪訝な顔で) 獲物は何だ?」
達磨「お前だ。」
猟師「(不安気に)お、俺を? …他にも猟師はいるよ?(汗)」
達磨は、立ち去りながらため息まじりで呟いた。
達磨『獣たちの血肉が珍味となる。物言わぬ獣たちが…。
その身になって考えれば、とてもできないだろうに…』
