先日、近所の特養施設から電話がありました。施設に入っているおばあちゃんが4日前から左肩を全く動かさない。左肩もだらんと下がっているよう。脱臼しているのではないかと。


 そこで、私の所へ電話があったんですけど、僕らの町はこういった近隣、事業所との連携というかコミニュケーションは結構密ではないのかな?(自分だけ思っている?)


 この前も「訪問にいった方が返事しないから丸井さんちょっと来てもらえませんか~」って訪問看護師さんから。たまたま僕はいけなかったんですけど、うちのスタッフに行ってもらいました。訪問に行ったら、いなかったってあります。ましてや家に入ってみると・・・なんてのもありますから、1人で家に入るのが怖いのもわかります。

 まあ、そんなこんなで非常に腰の軽い代表取締役です。


 さて、話がそれました。「4日も放置したまんまだと、入るかな~?」と思いながらも電話ではよくわかりませんから、来ていただきました。


 こられた方は90歳手前の女性の方。車イスで認知症もあり。歩行も自力不可の方です。

とりあえず、ベッドに寝ていただいて、触診、視診、問診をしてみましたが、明らかな脱臼の所見は見当たらないのですね。三角筋消失なんて両肩みられますし、両肩とも下がって見える。腫れや疼痛もあまりみられない。

転んだとか、ぶつけたとか、原因もはっきりしない。


 まあ、それでも動かそうとしないもんですから、2,3回整復を試みました。

ここで、肩関節脱臼の整復についてなんですが、僕は基本、外転挙上法で入れます。コッヘルや、ヒポクラテスなんかもありますが、あれ入りにくいんですよ。


 まあ、脱臼の場合、顎や、指の脱臼もありますが、牽引は必須ですね。外れた患側を強く牽引し、関節にあそびをもたせないと、入りません。この牽引が大変力のいる行為ですから、女性柔整師はどうなんなんだろうかなと以前ブログで書かせていただきました。(よければ、アメンバー申請して、読んでください)


 さて、このお婆ちゃん、痛みをあまり訴えないんですね。整復しても、入った感覚がない。亜脱臼かな。そして、肩関節自体ルーズになっているなと感じました。


 以前、額関節脱臼の整復についてブログに書かせてもらいましたけど、高齢者の場合、関節自体がゆるくなって、整復してもあきらかな、アジャスト感?ていうのは術者にはわかりにくいのです。


 その点若い子なんかは著名。コクッてクリック音なんかも感じられますから。


 ここからが問題なんですけど、お婆ちゃんに手を挙げてみてといっても挙げないんですね。なんでだろうと思っていたら、付き添いの看護師さんから、「今まで手を挙げた事はありません」って。


 「え?」僕。手を挙げた事がないって事はほぼ、前腕から手しか使ってないと。それならそれで、先にいってくれないと、僕の整復で逆に外れてしまう場合もあるのにと思いました。


 まあ、患側の前腕や手は動かしているし、外れてもないだろういって帰っていただきました。


 それから、自分でいろいろ考えたり、調べてみたんですけど、高齢者の場合、脱臼より、骨折の方が可能性は高い。このお婆ちゃんにしても、肩関節自体の痛みよりも、骨頭や骨幹部、肘関節が痛いと訴えてたな。でも、腫れはない。認知症もあるから、言ってる事もよくわからんかったし、歳が歳だけに、何もしないでもよかったかもしれません。


 今日のはとっても長くなりました。適当な所で切ろうと思ったけど、切れなくて。最後までお読みいただきありがとうございました。