たくさんの愛をありがとう 追悼 瀬戸内寂聴 展

プレス内覧会&セレモニーに南 果歩が出席
25年以上に渡る親交を深めた、寂聴先生との思い出を語りました。

日本橋高島屋S.C
会期:2022年8月3日(水)→22日(月)
会場:日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール
ご入場時間:午前10時30分〜午後7時(午後7時30分閉場)
※ 最終日は午後5時30分まで(午後6時閉場)

 

 

作家として僧侶として生き抜いた99年の名言の数々や400作を超える著作、
華やかな交遊録などが7章仕立てで紹介されています。(プレスより)

 

(報知新聞社 様より)

 

 

 

果歩さん「朝早くからありがとうございます。南 果歩です。
皆さんに先立って展示を見せて頂いたんですけれども、本当に先生の99年の濃厚な人生が詰まっていて、
私は寂庵に伺って、先生と会う機会を頂いていたんですけれども、私もまだ本当に瀬戸内寂聴という人を知らなかったのだと思いました。
一番驚くべきは出版された本の数々ですね。400作以上、私もまだ読んでいない本が沢山あり、これは読んでみたいと思うものをちょっと探らせていただきました。
先生は私が寂庵に訪ねていきますと、そこでお喋りをしたりお酒を飲んだり食事をしたりするんですけれども、私が帰った後に必ず原稿用紙に向かい、毎日机にむかうという作家生活を最後の最後まで、朝日新聞の最後の連載もギリギリまで抱えていたという、本当に生涯現役99歳。本当に恐るべき情熱をお持ちだなと思いました。」
MC「時間をゆっくりかけてあらためて展示をご覧いただきたいと思うんですけれども、一通りご覧になって何が印象に残りましたか?」
果歩さん「出版された本の数ですね。これだけ書き続けられる熱といいますか、その創作意欲といいますか、それが最後まで枯れなかった。その生き様をまず目の当たりにして、勿論たくさん出版されているっていうことは頭でわかっているんですけれども、我が家の本棚に並んでいる作品もごく一部ですし、本屋さんに行っても先生の作品は並んでいますけれども、これだけ全作品が並びますと、その書く意欲、最後まであったその事実に驚愕しました。」
MC「先日7月26日に開催された寂聴先生のお別れ会で、果歩さんが”先生は私にとって99歳の永遠のアイドルです”という言葉を仰られていましたけれども、そのアイドルらしいエピソードというものがあれば是非教えていただきたいんですが。」
果歩さん「それはもう、笑顔じゃないでしょうか?この屈託のない曇りのない笑顔が、私のアイドルという言葉が出た所以かと思うんですけれども。
あとはそれぞれの時代、戦前戦後、平成、令和…その時代の波に乗りながら、時代をこう鋭く分析し、そして今、今自分が何をなすべきかということを常に念頭に置きながら活動されていたところもアイドルじゃないかと。今を生きるアイドルじゃないかと思いますね。私は最後に先生とお話できたのが昨年の5月15日のお誕生日だったんですけれども、その時先生に、来年の100歳のお誕生日は盛大にやりましょうという話をさせていただいて、100歳でみんなのアイドルになれるのは先生以外いませんよって話をしたら、先生が電話口で、”それはいいわね、100歳のアイドルになってみたいわ”って仰ったんですよね。それが直接お話できた最後だったんですけれども、100歳のアイドルには1年足らなかったんですけれども、それでも99歳のアイドルです。素晴らしいなと思ってます。

是非この瀬戸内寂聴展をみなさんご覧になってほしいです。勿論、先生はその時その時私たちに必要な言葉を発信してくださっていたんですけれども、それ以前の様々な先生が書かれていた書物に触れて、また現在に至るまでの生き方であったり、その時代にどれだけ先生が戦っていたかを見て頂きたいです。
私たちは先人が残していってくれた歴史の上に立っていると思うんです。先生と私は随分歳は離れていますけれども、本当に先を歩く頼もしい先輩として時代を切り開いた先輩としてずっと見ていました。皆さんにも是非寂聴先生に触れてほしいと思います。」
MC「南さんと寂聴さんとは25年以上の親交があったということなんですが、その中でも南さんに文章を書くようにとすすめていらっしゃるそうですね。」
果歩さん「それが不思議なんですけれども、先生は私の書いた文章を一度もお読みになっていないんですよ。寂庵で話をさせていただく中で、”あなたは絶対に書く人間になるんだから”と何度も仰ってくださっていて、それはおそらく自分の中にある渦巻く感情であったり、簡単には消化できないものを抱えていたという、そういう話を打ち明けに行っていたからだと思います。
”そういうことを書くのよあなた、そうやって、人が感じられないことを感じたり、人が出来ない経験を出来ている人間だからこそ書かなけれいけないということを、ずっと仰っていてくださっていました。

今発売されている『乙女オバさん』という書下ろしエッセイも、最後のお電話で”先生、実は今私書いています”とお話をしましたら、”帯は私が書くから”と仰ってくださったんですが、私の筆が遅くてですね、先生に読んでいただけないまま、そしてその約束の果たせないまま、間に合わなかったことが本当に残念です。」
MC「ありがとうございます。まだまだ南さんにお話お伺いしたいんですけれども、お時間の方が大分迫ってまいりました。」
果歩さん「先生のことは本当に話しても尽きません。私はただ先生にお会いしたくて、お話したくて寂庵に伺っていたんですけれども、あの時間がどれだけ貴重なもので、これほど自分にとって宝物といえる時間になろうとは、その時は本当に分かっていませんでした。
私には先生は絶対に亡くならない、絶対に死なないという、どこかこう馬鹿な考えがありまして、でもやっぱり人間はこうやって天命を全うするということを、また最後に先生に教えていただきました。先生がよく、”今を切に生きなさい”という言葉をよくかけてくださっていました、本当に過去でも未来でもなく今が大事なんだということを、肝に命じて私はこれから進んでいきたいなと思ってます。」
MC「素晴らしいお気持ちを言葉にしていただいてありがとうございます。では質問をある方は挙手にてお知らせください。」
東京スポーツ様「もしこの場に寂聴先生がいらしたとして会話されるとしたら、どんなお話をされますか?」
果歩さん「そうですね。今の気持ちに正直に、私が思っていた以上に瀬戸内寂聴先生という方は計り知れないエネルギーを持って生きていたんだと、私が思っていたものとは比べられないほど偉大な人だと改めて知りました。先生ごめんなさい。」
スポーツニッポン様「瀬戸内寂聴展の400冊の本が全部揃っていたというお話ですけど、南さんがお読みになった本で、ご自身の人生で一番影響を受けた本、好きな本がありますか?」
果歩さん「私が好きな本は”かの子繚乱”ていう岡本太郎の母親である岡本かの子さんを描いた作品です。先生がこれを以前戯曲化されているんですね、かの子のという役をやってみたいと思いまして、生前先生の戯曲をいただいています。今後演る機会があれば嬉しいなと思っているんですけれど。
あとは、瀬戸内寂聴物語が映像化されるのであれば、あなた得度した後の寂聴演りなさいと、本人から申し付かっております。」
スポーツニッポン様「もし演るとしたら、こだわりとかは?」
果歩さん「剃髪します。」

 

 

瀬戸内寂聴先生の400冊に及ぶ作品や、自筆原稿、有髪最後の色留袖、秘蔵の資料など
貴重な展示を真剣な眼差しで見入っていた果歩さんクローバー

セレモニーにお呼びいただきありがとうございました。

この貴重な機会に、是非足をお運びください。


取材していただきました。
◆スポーツ報知

 

◆日刊スポーツ

 

 

 


◆東スポ

 

◆デイリースポーツ - Yahoo!ニュース

 

 

◆スポニチアネックス

 

 

 



瀬戸内寂聴先生に帯を書いていただく予定だった本
『乙女オバさん』小学館

 

 

byあゆん


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