以前、同性カップルに犯罪被害給付を認めない判決が出た話を取り上げました。
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この時焦点になったのは「同性間の共同生活が婚姻と同視できるとの社会通念が形成されているか」でした。
このニュースに関して、関連して進展があったので触れたいと思います。
先日、札幌市と大阪市が犯罪被害給付に関して「同性パートナーも対象にしている」ということが報道されました。
6月の名古屋の判決を受けて…という訳ではなく、この給付制度が導入された大阪市は4月、札幌市は8月からすでに明記されていたそうです。
また、東京都世田谷区は例の判決を受けて同性パートナーも遺族として認め、新型コロナウイルス感染症にかかった人が亡くなった場合に遺族が受け取れる傷病手当金を同性パートナーでも申請できるようにすることを発表していたそうです(これに関しては知りませんでした)。
同性パートナーシップ制度も8月に兵庫県川西市で、9月には京都市で導入され、今年度中には60自治体に達する見込みだということです。
同性パートナーに対する制度が出来てきていることに嬉しさを感じています。
私はここで上でも取り上げた裁判の焦点であった「同性間の共同生活が婚姻と同視できるとの社会通念が形成されているか」ということについて少し触れたいと思います。
以前私はこの判決についてこう書きました。
しかし、この判決理由には納得がいきません。
渋谷区・世田谷区が2015年11月より始めた同性パートナーシップ制度は現在47の自治体で導入されており、日本全人口の4分の1がカバーされたことになります。
政令指定都市の半数が導入し、人口約5100人の小さな町でさえ導入されています。
これでもまだ「同性間の共同生活が婚姻と同視できるとの社会通念」は形成されていないのでしょうか。
この考え方は今でも変わっていません。
しかし、このニュースを見て父親にどう思うか聞いたところ、このような答えが返ってきました。
「社会通念って言うけれどもそういった思想に関する話ももちろんだけど、同性パートナーを受け入れていく制度がまだ万全じゃないってことじゃない?まだ導入してる自治体も多くないでしょ?」
これには「そうか、なるほどな」と感じました。
同性パートナーシップ制度が導入されている自治体は約60で人口の4分の1をカバーしています。しかし、まだまだ4分の1です。自治体の数で言えば1741分の60。まだまだ道半ばと言えるでしょう。
事実、私の住む政令指定都市でもある北九州市は導入していますが、故郷の大阪の某自治体は導入していません。
このような背景も考えると、この判決も致し方ないところがあるのではないか、というのが私の父親の見解でした。
※断っておきますが、私の両親はジェンダーに関してとても寛容です。私が同性のパートナーを連れてきてもいいよ、と言ってくれています。
今回のニュースはとても喜ばしいものでしたが、同時にまだ「社会通念が形成されているか」ということに関して見直す機会にもなりました。
今後、同性パートナーシップ制度が法整備されて、法律婚として認められる日が来ることを切に願っています。
そこが「社会通念の形成」のゴールだと、強く感じました。