こんばんは、神楽です(*^.^*)
先日、「NHKクローズアップ現代」という番組にて、詩人『吉野弘』氏の特集をしていました。
その番組にて、吉野氏の存在を初めて知った私でしたが、彼の素晴らしい作品に凄く衝撃を受けました。
ひとつの詩をご紹介させていただきます。
~これより引用~
『虹の足』 吉野 弘
雨があがって
ああ 雲間から
乾麺みたいに真直な
陽差しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下にひろがる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽりと抱かれて染められていたのだ。
それなのに
家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
―――おーい、君の家が虹の中にあるぞォ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが…。
~引用終わり~
「他人には見えて
自分には見えない
幸福の中で…」
すごく考えさせられる言葉です…。
自分の幸せを、必死に自分の外側に追い求めようとする自分…。
この世界は、苦しい世界だ。
もしかしたら、ここが死後の世界で、この世界こそ地獄界なのかもしれない…
などと考えていた自分がいました。
けれど…
そうじゃない。
そうじゃないんだよ…。
この世界は、苦しみだけの世界じゃない。
まして、地獄界なんかじゃない…。
あなたは、実は虹の中にいるんだよ…
はやく気づいて…
吉野氏からの問いかけが響いてくるような気がします。
早く、家(自らの殻)を飛び出して、虹に触れてみたい…。
いま、自らが虹の中にいることを実感できれば、おのずと目の前の現象も変わってゆくに違いない…。
もしかすると…
あの世から見れば、じつは、この世は浄土なのかもしれない…。
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