私事で恐縮ですが、曲(サウンド)の形になりやすさに比べて、歌詞づくりのこの難しさって何なの?と感じます。そんな折、「目に映ったものを、そのまま歌詞にする」という方法を聞き及んで、それがうまくできればものすごくパワフル!と思いました。
実際、いま目の前には宅配寿司のチラシがあり(与えられたお題なしに)それをきっかけにすれば、とりあえず「ウニ・トロ・イクラ、ガリをはさんでサーモンサーモン」とか何かしら出てきます。あとはこれをずらしたり膨らませたりして、加工をすればよいのでしょう。
そのとき歌詞が同じでも「ウニ!トロ!イクラ!!」や「ウニ…トロ…、イクラ…」など、曲調によってテンションやトーンが変わりそうです。
あともう一つ思ったのは、膨らませる歌詞の時制=ざっくり過去形・現在形・未来形のどれを選択するか、によっても、受ける印象やストーリーがかなり違ってきそうだということ:
★具体例を挙げますと、
・過去形「僕がトロを食べたとき君はウニを食べた、幸せだったあのころを…(もう一度etc)」
・現在形「僕がトロを食べ、君がウニを食べる、幸せないまを…(永遠にetc)」
・未来形「僕はトロを食べるだろうし、君はウニを食べるがいい、幸せな未来を…(一緒につくろうetc)」
このように、それぞれ導かれるストーリーが違う気がします。
★別の具体例。
・過去形「あのとき、ききすぎたワサビで…(しびれたetc)」
・現在形「いま、ききすぎるワサビで…(前が見えないetc)」
・未来形「これから、きいてくるワサビで…(君を麻痺させるetc)」
これらも立ち上がってくるストーリーがいろいろ違ってくる感じ。
なお上記の例によれば、過去形だからこう、未来形だからこう、という定まった印象はないようです?
また、名曲には「過去と現在」「現在と未来」「過去と現在と未来」のような複合パターン、逆に時制を含まない歌詞もあるようですね。
そんなわけで、歌詞の時制ということに関して、相当深い世界が広がっていると思いました。(アタリ前…
しかしここまで書いて、スシをモチーフにした偉大な先例に思い至りました。とくに、ネタを並べることはすでに行われている。
これからすぐにわかるのは、上の手法で独自性を高めたいときには「なるべくレアなものを見るのが良い」ということです。たとえば寿司でなく、ガレットとか、トルティーヤの宅配チラシ?(←日本に実在するか不明ですが、いまや“出前”ならあるのかも)。あと…、レア・スポット、レア現象や、もちろん異国の地などなど。
もう一つの逃げ道(活路)は、当ブログ伝家の宝刀「分野の組み合わせで新しさが出せる」です。今たまたま思いついたワードでもって「鮨×量子コンピュータ」としてみましょう。すると「お鮨、お鮨、あなたに最適配分 はじき出すの量子の教え/おっと出ました山盛りワサビ、これでも食らえ!量子の炎」とか出てきます。質はともかくとして、独自性は確実に高くなりました(寿司×量子は見たことない)。なのでこの手法も有効です! ※ただしこういう資源配分問題に量子コンピュータがよく適するかは知りません。
さらに別案として、「トロ」などの直截的な言葉を使わない方法もありそう。 失敗例 「ピンクの切り身 白い線が入った つややかな魚肉 その悦楽 待ちきれないよ…」など、いわば“解像度を上げる”方向性ですね。
うーんうーん、それにしても歌詞づくりで、思い通りに着地するのってかなり難しい…。今日は以上です、本日もお付き合いありがとうございました。