●感想が分かれたX68000
●感想が分かれたX68000
X68000については書くことが多すぎるし、これまでも書き尽くしてきたので、登場時に絞って書く。
今から思うと、登場時にこれほど感想の分かれた機種も無いだろう。X68000は、1986年10月のエレクトロニクスショー'86での参考出品という形で登場し、我々はそれを伝える雑誌記事で知った。
従来機と互換性の無い新型というだけでなく、高級ホビー機というまったく新しいジャンルの機種。実機を見た人はほとんどおらず、発売時期も価格も未定。記事を読んでどう捉えたかは、人それぞれだった。
今回の記事で、私は記憶違いに気づいた。X68000も、PC-9801VX、PC-98LT、PC-98XLの3機種も同じ1986年10月発表だが、これまでは後者を先に知り、直後にX68000を知ったと思い込んでいた。だから、「あわててPC-9801VX2を買わなくて良かった」と長年思ってきたのである。
しかし、調べてみるとPC-9801VX等は1986年10月22日発表。私は読売新聞の広告で知ったのだから、発表当日よりは後だろう。X68000の記事が載ったのはパソコン雑誌の11月号。10月18日発行なので、私は1日早い17日の午後に買ったことに間違いない。
PC-9801VXが先だと思った理由は簡単だ。X68000のスペックから、本当に発売されるかさえ疑わしいと思った。
1年ぐらい先に出るとしても、価格はPC-9801VXより大幅に高くなる。当時は、PC-98XL等100万円クラスのビジネスパソコンも珍しくなかったし、数年前だがホームユースを想定しつつ個人で買えないほど高価だったヤマハYIS(ワイズ)を連想させた。X68000はイベントや遊興施設向けの特殊な機種で、一般向けではないと思った。だから、購入の対象外と考えたのだ。
当時、私は「月刊マイコン」、「ASCII」、「Oh!PC」の3誌を購読しており、本家「Oh!MZ」より詳しい記事が載ったと話題になった「月刊マイコン」を、何気なく読み返した。
買った日にざっと読んだ時には非現実的だと思ったX68000だが、記事はこう結ばれていた。16ビットパソコンの値段の付け方なら50~60万円だが、8ビットパソコンの値段の付け方なら40万円台。ひょっとすると40万円を切るかもしれない、と。そこで、初めて購入の対象になり得ると気づいたのだった。
不確定要素が多い中で、こんなの売れない、と思った人、X1turboの後継モデルと捉えた人等、感想は人それぞれだったんじゃないかな。私自身、件の記事の最後の一文を見落としていたら、つまらないと感じたPC-9801VXを思い直して買ったかもしれない。
X68000は実際に発売された後も、使ったことのない人には評価が分かれたんじゃないかな。当時、PC-9801ユーザーにビジュアルシェルを見せただけで驚かれた、なんて話も聞いた。まぁ、他機種についてはよく知らないのが、当時は当たり前だったのだけど。
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