●『沿線地図』最終回
●『沿線地図』最終回
最後は、駆け落ちした二人に子供が出来て、ひと悶着。最終的にはそこへ行くんだろうな、とは思うし、最終回のストーリー展開もよく練られていた。
ターゲットが大学生の親世代なら、納得できる内容だ。若者たちが主役のように始まるが、途中から大人たちの視点に移っていった。正社員になろうとせずバイトにこだわる二人を諭そうとする岡本信人演じる上司の方が、真っ当に見えてくる。それも、仕掛けだろう。
どう決着させるか期待は膨らむ。が、エリートコースからドロップアウトして生きることの是非というテーマは、土壇場で、子供を産むべきか否かという問題にすり替わってしまう。山田太一ドラマにありがちな構造の弱さ。序盤・中盤が緻密に組み立てられているだけに、なおさら終わり方にモヤモヤする。
私はこのドラマをリアルタイムでは観ていないが、同級生の何人かは小6で観ていたんじゃないかと、以前書いた。1979年らしい映像も相まって、私はいつの間にか大人の視点ではなく、小6の感覚で観ていたフシがある。
近い将来、あるいは既に巻き込まれている受験戦争と、どう向き合うべきか? というのが小6の児童のリアルな心情。それが妊娠の話になっちゃうと、急にオトナの世界に変わって、自分たちには関係ないと突き放されてしまうんじゃなかろうか?