●湖川友謙には権利無しか…… | サンロフトの本とテレビの部屋

●湖川友謙には権利無しか……

●湖川友謙には権利無しか……
報道は客観的であるべきなのに、人格否定やバカにした表現がしばしば見られる。今回も、往年のファンにとっては不愉快な記事だ。

「アニメ業界ではちょっとした有名人」とは、あまりに失礼。「湖川キャラ」という言葉が出来るほど個性の強いキャラデザインは、1980年代アニメではおなじみだった。

最近ではアニメの仕事はあまりしていないというが、宇宙戦艦ヤマトシリーズは、復活篇、2199、そして2202にも参加していた。復活篇は湖川キャラで萎えたけど……。ヤマトもいつの間にか注目されない作品になったんだな。


問題はシンプルで、権利を持っていない人が無断で売ったということ。だが、アニメファンとしては色々と考えさせられる。

マンガをアニメ化する際には、キャラクター設定が欠かせない。原則として、マンガとアニメのキャラは同じデザインだが、一見すると同じように見えるだけで、細部は大きく異っている。それは創作ではないのだろうか?

ヤマトシリーズに原作マンガは無い。松本零士によるラフスケッチと決定稿のデザインは、似ても似つかないほど違う。森雪、スターシャ、佐渡酒造等は松本テイストが色濃いが、それ以外はおよそ松本キャラとは違う。

パート1の決定稿は主に岡迫亘弘。さらばは湖川友謙。新キャラはもちろん、パート1からのキャラもほぼ同一デザインで描き直している。ヤマト2は主に小泉謙三。タラン将軍、ゲーニッツ、バルゼーらのデザインが違うのは、そのせいもあるだろう。尚、松本零士はガトランティスのキャラのラフスケッチを多く描いていて、それを元に決定稿を描いた湖川友謙を知らないとは考えにくく、単に忘れたのだろう。

作画監督の比重も大きい。設定画がどうだろうと、我々がアニメとして実際に観るのは、原画マン・動画マンが描き、作画監督によって監修された画なのだ。「さらば宇宙戦艦ヤマト」は、まさに湖川友謙の画である。マンガのメーテルとアニメのメーテルは違うが、それはファンの見方であって、世間一般には通用しないんだろうな。


この一件の特異性は、無名アニメーターが他人の作品を描いたのではなく、我々がアニメで観てきた画の作者が描いたという一点に尽きる。法的な権利が無いのはいかんともしがたいが、立場の弱さはなんとかならないものか。誰もが知るベテラン声優も晩年は困窮しているという話を聞くが、この状況はアニメーターにも当てはまるようだ。

関連ページ @niftyニュース『「メーテル」のイラストをヤフオクに無断出品 「銀河鉄道999」アニメーターの強欲ぶり』