●最高の1年 | サンロフトの本とテレビの部屋

●最高の1年

●最高の1年
『ちびまる子ちゃん』は、行き詰まったさくらももこが一番楽しかった頃を描こうとしたものだという。彼女にとって最高の1年が小3だったわけだ。

一口に小学校時代といっても、学年によって良し悪しはあるだろう。毎年組替えがあった私などは、否応なくバラツキを感じることになった。良いことの総量で決めるか、悪いことが最小だった年を選ぶか、良い悪いを細かく計算するか、それとも、最高の出来事があった年を最高とするべきか。どの学年でも色々なことがあり、数値化できるものではない。


小1は2人の親友や、川島海荷似のあの人との出逢い。初めての体験ばかりで喧騒の1年だった。良くも悪くも最高密度の年。

小2は怖い女子2人に悩まされ、担任の先生とも合わず、苦悩の1年。しかし、9クラスもあるのに幼稚園時代の親友や、小1で最も好きだった切ない彼女と同じクラスになる強運。生涯唯一の恋人、宇垣美里似のタレ目の彼女ともこの1年間。年間2週間しか欠席しなかった最も健康だった年でもある。

小3は天国と地獄。始まって数日で、長い間好きだった◯ちゃんと、この先好きになっていく小川範子似の底抜けに優しい彼女とを同時に失った。人生において稀有な体験だ。

小4は価値観が大転換した人生最初の転機。スーパーカーブーム、切手ブーム等、遊びも最高潮。天才の彼女との出逢い。タレ目の彼女との再会と別れ。そして、初めて好きになった上級生は「教授」というあだ名以外に何の手がかりもない。ほろ苦い1年。

小5は天才の彼女、天然の彼女、ペンギンの彼女が一緒。何という奇跡のクラス。小1以来疎遠だった無二の親友もいる。そこは、学校で最も静かで緑豊かな木漏れ日の教室。結構嫌なことも多かったけど、最も充実した1年。

小6の特に後半は多く記憶に残る。当時は、小5に比べて嫌なクラスだと感じたことも多かったが、今思えば収穫の年。私が「絵がうまい」という印象はこの年からだ。やり残したことの、なんと多いことか。しかし、今からその続きをやることも出来ない。永遠の未完。


結局、良いことの総量から、小5が最高の1年なのかな。子供の頃は、「嫌な記憶はずっと残り続けるだろう」と思っていたが、案外どうでもよくなるものだ。ただ、悪い出来事が生涯に渡って悪影響を与え続けるのもまた事実。まぁ、それは中学校時代の話なのだけど。