●NEC PC-8201は分厚かった
●NEC PC-8201は分厚かった
ハンドヘルド・コンピュータの先駆者EPSON HC-20と、半年以上後に登場したNEC PC-8201。形は似ているが、性格は大きく異なってた。
HC-20は液晶ディスプレイの他、マイクロカセットやプリンタまで内蔵し、本体のみで完結するマシンだった。それに比べると、プリンタはともかく外部記憶装置まで別のPC-8201は、モバイルPCとしては不便だった。
しかし、拡張性ではNEC PC-8201が圧倒的。外部ディスプレイやFDDが接続できたし、PC-8001mkII用漢字ROMも内蔵できた。まあ、翌年の1984年には漢字対応のEPSON HC-88が発売されるんだけど、当時は驚いたものだ。とはいえ、漢字ROMに使い道があったのだろうか?
PC-8001mkIIには「ユーカラJJ」、「PC-KANJIマークII」、「シンプルワード」、「P-漢」等のワープロソフトがあり、NEC純正の「PS80-1012-2W 日本語ワードプロセッサ」(5万6000円)まであった。
一方、PC-8201用ワープロソフトはNEC純正の「PS82-1014 簡易日本語ワードプロセッサ」(4万5000円)の1本のみ(1984年4月現在)。FD版でもカセットテープ版でもなく、ROMカートリッジだった。
実用性を考えると、それ以外にはあり得ない。テープ版ワープロなど使い物にならないし、当時出始めた薄型5インチFDDでさえ持ち運びや乾電池駆動は考えにくい。PC-6001以上にROMカートリッジが有用な機種なのだが、ROM版ソフトどころかソフト自体ほとんど出なかった。
CPUが80C85(CMOS版8085)なのが、PC-8001mkIIからの移植を阻んだのだろうか? 当時、まだCMOS版Z-80は無かった。また、PC-8001mkIIの640×200ドットに対して、240×64ドットという画面の狭さもネックだったろう。1985年のパーソナルワープロ・ブームでは1行表示の機種も出たのだから、漢字15字×4行あれば十分使えるはずだが……。
当時のワープロはまだ手書き原稿の清書に使うのが一般的。考えながら文章を打てるほどカナ漢字変換効率は良くなく、削除・挿入等の編集速度も速くはなかった。出先で原稿を書く等、現代のような用途自体が存在しなかったと言える。PC-8201に漢字ROMやワープロソフトの需要は無かった。
当時、店頭で見たはずなのに、横から見た時の分厚さに驚く。幅が狭いから小さいように感じるが、厚みはPC-8001mkIIと大差ない。
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