●『宇宙戦艦ヤマト』最終話の必然 | サンロフトの本とテレビの部屋

●『宇宙戦艦ヤマト』最終話の必然

●『宇宙戦艦ヤマト』最終話の必然
旧作ヤマトパート1の第26話(最終話)。冒頭、銀河系へ帰ってきたヤマト。実際には太陽系までワープあと1回の距離だ。デスラー艦登場。ガミラス本星での戦いで死んだはずのデスラーが、間一髪脱出する経緯が説明される。で、デスラー自ら、ヤマトへ向けデスラー砲発射! その瞬間、ヤマトが偶然ワープして逃げられるというお約束の展開。

デスラー艦がワープ航路計算を省いて強引にワープし、ヤマトに激突。ワープ失敗を嘆く部下に対し、白兵戦の準備を指示するデスラー。ヤマト艦内に放射能ガスを送り込み、ガミラス兵突入。ガミラス人には無害だが地球人は放射能の中では生きられない。そして、デスラー自らもヤマトへ。

ヤマト艦内で白兵戦開始。放射能ガスで倒れていくヤマト乗員たち。古代たちが現場へ駆けつけるが、そこで放射能ガスの存在を知る。デスラーと対峙する古代。互いに名乗ったところで、森雪が放射能除去装置を作動させ、放射能ガスが消える。で、地球の空気になったらガミラス人には不利なので、デスラーたちは引き揚げていく……。



というのが、前半の展開。なぜ、こういう話にしたのか、長年考えていた。地球でガミラス残存艦隊が待ち受けていた、でもいいし、先回りしたデスラーが地球を破壊しようとしていた、でもいい。既に人類は滅亡していた? と思わせてラストで生存者たちを発見する、というパターンもあっただろう。しかし、この話になったのには、必然性があったのだ。

『さらば~』や『ヤマト2』で、デスラーと古代が対峙する場面がある。それぞれ、展開は違うものの、既に互いを知っている話しぶりは共通している。そう、これはパート1最終話前半で古代とデスラーが名乗り合う件が活かされているのである。デスラーにとって古代の印象が強いのは当然なのだ。無論、あの時点で続編の構想などあろうはずもない。ヤマトが小ワープでデスラー艦に突っ込み乗り込んでいくのは、パート1の逆パターン。ニクい演出である。

実は、ヤマトはファースト・ガンダムを先取りしていたのだ。ガンダムでは、アムロとシャアが終盤のテキサスコロニーで互いにそうとは知らず出逢った。シャアとセイラの再会のように第1話で出逢わせる展開にも出来たが、敢えてしなかった。その後、アムロは敵が「赤い彗星」シャアだと知るが、シャアはアムロを知らないまま話が進んでいく。

これは、ヤマトパート1の展開に似ている。古代は祝電の件でデスラーの名を知るが、デスラーを含めガミラスは主人公たる古代を知らないまま話が進むのだ。偶然の産物かもしれないが、類を見ない展開である。そのため、最終話で主人公が敵のボスを倒して終わるという常識的な形にしたかったのではなかろうか? 実際には、デスラー砲が跳ね返されて自滅だが……。

『さらば~』や『ヤマト2』、『新たなる旅立ち』、『永遠に』、『ヤマトIII』、『完結編』では、すべて古代が敵のトップと対峙している。デスラーの最期が太陽系内なのだから、旧作でもガトランティスは地球を知っていたと思われるが、どちらでもいい話。


●精算の1月
12月から2ヶ月間続いた大整理が一段落。クラシックCDを3分の2ほど処分し、思わぬ臨時収入。25%増額キャンペーンの増額分もバカにならない。色々な意味で、今月は長年の精算をした(しなければならなかった)。芸能人の結婚や熱愛報道って、時には死ぬほどショック、時には1ミリの興味も無い。ああ、何も出来ないまま今月も終わろうとしている。焦っても結果は出ない。気楽に行こう。気楽に行く以外に方法がない。