●PC-8001 いつ買ったら得をし、いつ買ったら楽しめたか? | サンロフトの本とテレビの部屋

●PC-8001 いつ買ったら得をし、いつ買ったら楽しめたか?

●PC-8001 いつ買ったら得をし、いつ買ったら楽しめたか?
間違いなく初代PC-8001が一番得で一番楽しめた。それまでNECでは、ワンボードマイコンTK-80でBASICを使えるようにするTK-80BS(後に完成品のCOMPO BS/80も出た)しかなく、PC-8001は大きな飛躍であった。


ただし、私がパソコンに興味を持った時には既にMZ-80BやFM-8が発売されており、間もなくPC-6001、PC-8801が発表されるといった状況だったため、PC-8001が輝いていた時期は体験していない。とはいえ、モノクロでキャラクタ表示のみのMZ-80K/Cや、ベーシックマスター・レベル2ぐらいしかない時に、160×100ドットのセミグラフィックにカラー8色とはたいへんなインパクトだったと想像できる。


PC-8001mkIIが出た時、正直驚いた。約1年前に出たPC-8801が、PC-8001上位互換で値段も少し高いだけだったからだ。PC-8801発売後もPC-8001は併売されていたが、フェードアウトしていくと思っていた。
しかも、同時期に同価格帯で出たFM-7は640×200ドット8色でPSG音源内蔵、おまけにFM-8の2倍のスピード。PC-8001mkIIは640×200ドットモノクロ、サウンド機能は無くBEEP音のみである。


しかし、PC-8001mkIIには違った見方もあった。PC-8801は640×400ドットの超高解像度グラフィックや漢字表示等がウリだったが、PC-8001+拡張ユニット+FDDインターフェース+増設RAMと考えると割安だという理由でも売れていたというのだ。後の感覚では不思議だが、実用レベルのワープロソフトやグラフィック多用のゲームなど考えられない時代である。それは、PC-8001mkII発売当時でも同じ。プログラムは自作が当たり前。市販ソフトは補助的なものだった。


PC-8001mkIIはPC-8001と同等のサイズながら拡張ユニットと同じ2スロット内蔵。オプションで漢字ROMも用意され、FDDインターフェースまで内蔵されていた。PC-8801より大幅に割安だったので、PC-8001mkIIが選ばれたわけだ。FM-7やカシオFP-1100の登場でPC-8801の割高感は否めず、本来ならここでPC-8801mkIIが出て欲しかった(少し高い値段でも)。


PC-8001mkIISRは、PC-8801mkIISRと同時発表のため印象が薄かった。640×200ドット8色も可能となり、PC-8801mkIISRとの差はアナログRGBでないことと640×400ドットモードが無いことぐらい。しかし、PC-8801シリーズとは互換性が無く、なぜ発売されたのか今もって謎である。320×200ドット2画面重ねあわせが可能で、良質なゲームソフトも発売されたというが、短期間で忘れられていった。
不遇なモデルだが、シリーズ最終モデルなのも、対応ソフトがほとんど出ないのも、本体自体ほとんど売れないだろうことも、買った人は承知の上だったと思われる。


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