●Altoとは何だったのか? | サンロフトの本とテレビの部屋

●Altoとは何だったのか?

●Altoとは何だったのか?
Lisa、Macintosh、Windows、あるいはPC-100にも強い影響を与えたGUIの元祖。ゼロックス社パロアルト研究所でつくられたワークステーション。
マウス、アイコン、ビットマップディスプレイ、白地に黒文字、マルチフォント等、現在のGUIの原型はすでにそこにあった。スティーブ・ジョブズの死後、彼に関する番組の中で実際に動作するAltoを見ることができた。しかし、その全貌はよく分からないままだった。


先日、大著『ワークステーション原典』を読み、その一面を知ることができた。
1972年11月から製作開始。コンピュータの処理能力はマイコン以前ゆえに読んでもピンとこなかったが、メモリ128Kバイト、ディスク2.5Mバイトというのは現在(というか80年代のパソコン)の感覚でも実感できる。
ディスプレイは606×808ドットの縦長。しかし、ビットマップデータを持っていないため、610Kバイト必要なところを約50Kバイト(メインメモリ共用)に抑えたとある。そのため、画像は表示できない(または別の方法が必要?)。
Altoの映像ではモノクロ2値に見えたが、だとすればビットマップでも60Kバイトしか必要ない。610Kバイトなら10プレーンぶんになるし、表示の仕組みがよく分からない。
Altoは後にメモリ512Kバイトになるものの、メモリアクセスが難しく、プログラムは思うように動かなかったらしい。


そう考えると、アイデアはパクリであっても、実用レベルにしたアップル社の功績は計り知れないほど大きい。また、アラン・ケイのダイナブックとは、持ち運べるもので端末・本・紙・鉛筆を兼ね備えるというもの。東芝がただのノートPC(ブック型パソコン)にその名を付けたときには批判されたが、ハードウェアに関しては決して遠くない。
AltoのGUIやダイナブック(ノートPCやタブレット)はごく普通のものとして定着したが、同時に登場したSmalltalkってどこ行っちゃったんだろうな? 80年代にはあれだけ注目されていたのに。


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