●Windows XPは爆発的にヒットした!? | サンロフトの本とテレビの部屋

●Windows XPは爆発的にヒットした!?

●Windows XPは爆発的にヒットした!?
Windows XPには優れた面が3つあった。1つめはWindows 2000/Me以前のWindowsとの高い互換性。2つめは同じく旧WindowsのUIの継承(要カスタマイズ)。だが、これら2つはWindows 3.0以降の流れであり、リアルタイムで評価されたわけではない。そして、3つが寿命の長さだ。


私はWindows XP最初期にPC(Windows 2000)を買い替え、その遅さに落胆した。出来ることはほとんど変わらないのに、クソ遅い。PCのスペックが上がったのに操作性は低下した。ハイエンドモデルにも関わらずだ。悪夢の体験である。当時は、個人向けPCにダウングレードサービスは無く(あったかもしれないが、どのPCメーカーも実施していなかった)、新型PCはXPしか選べなかった。
その後、長いXP時代の末期にはPCのスペックは上がり、ローエンドモデルでも十分使えるようになった。


ところが、Vistaの登場でPCは再び低速化し、互換性が損なわれ、UIも変わった(その後の7、8に比べれば小さいが)。XPでは当たり前だった3点、それまで誰も見向きもしなかった3点が、突如として脚光を浴びたのである。


その後の展開については周知の事実なので割愛する。


Vistaの失敗ゆえほとんど同じ7が熱狂的に受け入れられたように、8の失敗の後ほとんど同じ次期Windowsが同様にヒットするというのが一般論。
しかし、8が出たことで7の何が評価されたかと考えると、そう楽観はできない。Vistaの時とは問題が違うからだ。
UIをコロコロ変えたり、互換性を軽視したりするのは、マイクロソフトのビジネスの幼稚さに問題の本質がある。ビル・ゲイツがマイクロソフトBASICでアメリカ市場を席巻し、日本市場を封じた遠い過去の成功体験から、未だ抜け切れていない。


XPモードすら無い8に、なぜ(今なお使い続けている)XPからの乗換えが可能なのか? 小学生でも分かる問題点が、マイクロソフトには見えていない。Surface RTに競争力があると信じているのなら、20~30年前の感覚だろう。その当時ならば、互換性の無いSurface RTでもヒットの可能性は十分あった。
Windows 7が受け入れられたがために、マイクロソフトが危機感を認識する機会を失ってしまった。これは、マイクロソフトにとってもだが、ユーザーにとっては悲劇というほか無い。


次期Windowsが、XP以前との完全な互換性と、7以前の操作体系を取り戻し、かつ軽量で高速になる以外、問題の解決は無い。しかし、解決はしてもPCが廃れ、主流がタブレットに移り、マイクロソフトが主役の座から降りねばならないことに変わりは無い。だから、マイクロソフトはその最も有効な戦略を取らないだろう。合掌。


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