●パソコン黎明期はビジネスチャンスに溢れていたか? | サンロフトの本とテレビの部屋

●パソコン黎明期はビジネスチャンスに溢れていたか?

●パソコン黎明期はビジネスチャンスに溢れていたか?
楽しかった若い頃や子供の頃を「昔は良かった」と懐かしむのは自然なことだ。しかし、若い人たちが三丁目の夕日の昭和30年代やパソコン黎明期の1980年代を羨むのは、現代社会の閉塞感からだろう。
「現代は悪い時代で未来も暗い」と繰り返し宣伝される理由が分からないが、大まかにみれば社会は昔ほど貧しく厳しかった。


↓の記事に色々反響があるが、何にせよ黎明期の方が簡単に富を得られるのは間違いではないだろう。私も当時は儲けさせていただいた。
だが、「資本なしに大富豪になるチャンス」なら、現代のIT産業の方がより当てはまる。FaceBookのザッカーバーグなど、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズに比べれば金も手間もかけずに巨万の富を得ている。
スマホ用アプリで億単位の金を得た人もいるらしいが、アプリ作成はパソコン黎明期より遥かに簡単になっている。要求される能力はずっと低くくて済む。


競争率の話なら、70年代後半~80年代前半のパソコン黎明期は確かに低かった。が、70年代にパソコンを知る術があったろうか? 日本で普通の生活をしていたら、まず接する機会は無い。知ったところで、その先進性に気づき、何をやれば儲かるかまでは考えつくまい。そんな先見性を持っていたら、現代でも成功できる。
1981年のマイコンブームの頃なら、チャンスが平等にあったかもしれない。しかし、83年頃には市販ソフトの質が向上し、高い技術が無ければプログラマとしては厳しくなる。


「インターネット創成期」とは、おそらくWWWが一般化した1990年代前半を指すのだろう。この時代なら、ブラウザも限られ、実用レベルのロボット型検索エンジンも存在せず、オンラインショップやショッピングモールも無い。が、何で参入するにせよ、現代以上に厳しいと思う。


ハードルが下がったことを、競争率が高くなったと悲しむか、自分にもチャンスが訪れたと喜ぶかはその人次第。特別秀でた能力を持たなくてもコンピュータビジネスが出来る現代は、世の中の大半を占める凡人にとって良い時代だよ。


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