【パソコン狂時代】37 ●グラフィック非搭載のなぜ? MZ-700 | サンロフトの本とテレビの部屋

【パソコン狂時代】37 ●グラフィック非搭載のなぜ? MZ-700

【パソコン狂時代】37 ●グラフィック非搭載のなぜ? MZ-700


1982年10月にNEC PC-9801と東芝PASOPIA16が出たばかりだが、翌11月はさらなる新製品ラッシュとなった。翌年からはマイナーチェンジものが増えるので、ここが新型パソコンのピークといえる。
富士通FM-7、FM-11、ソニーSMC-70、シャープX1、MZ-700、MZ-3500が一気に登場した。


しかし、MZ-700は発表のみで流通開始はもう少し後だった気がする(記憶が定かでない)。手元のカタログも1983年3月と5月である。
ホビーパソコンでは、カラーグラフィックとサウンドが一般化しつつあったこの時期にあって、MZ-700はグラフィック非搭載だった(グラフィックキャラクタによる80×50ドット・セミグラフィックは可能)。


MZ-700はMZ-80K/C系と思われるが、7月にMZ-1200が出たばかりなので、まったくの新モデルといってもよかった(BASICレベルの互換性はあり)。
Z80A/3.6MHz、RAM 64Kバイト、VRAM 4Kバイト。CPUの高速化とRAMの増加により、処理能力はMZ-80B/MZ-2000に迫る。テキスト画面は従来どおり40×25行だ。
また、伝統のオールインワン・スタイルをやめディスプレイを外付けにして、8色カラー表示を可能にした。
12型グリーンディスプレイMZ-1D04(3万2800円)、14型カラーディスプレイMZ-1D05(6万9800円)、14型TVモニター(TVチューナ付)MZ-1D09(11万円)の3モデルが用意され、家庭用テレビも接続できた。本体に、RGB端子、コンポジット端子、テレビ接続用RFモジュレータまで装備していた。


本体はMZ-711(カセット無し/7万9800円)、MZ-721(カセット内蔵/8万9800円)、MZ-731(カセット、プロッタ内蔵/12万8000円)の3グレードがあった。(MZ-2000の2000ボー高速カセットと違い)1200ボーなので普通のラジカセを代用できたが、1万円の差なら内蔵タイプのMZ-721が買い得だろう。
MZ-700シリーズ全体のカタログ以外に、MZ-711単独のカタログがあったので、低価格をアピールしたかったのかもしれない。


MZ-731の26/40/80桁4色(黒・青・赤・緑)カラープロッタプリンタはこの機種独自の装備で、他に例は無い。本体にグラフィック機能が無いが、高精細グラフィックをプロッタで描くことはできた。また、タイプライタのようにキー入力が描かれるPLOT ON文は、カタログでは「ディスプレイの代用として活用できる、プリンタとの対話モード装備」と記されている。
MZ-700を持ち運べるアタッシュケース、システムキャリングケースMZ-1X04R/G(1万9800円)もあり、本当にディスプレイ無しでの使用を考慮したのかもしれない。


キーボードは、白キーにオレンジ色機能キーの配色はMZ-1200を受け継いだが、テンキーは無く十字配置のカーソルキーがある。また、青いファンクションキーも5つ追加された。
MZ-80K/C~MZ-1200まで、カーソルキーは「↑↓」(上下兼用)「←→」(左右兼用)の2つだった。PC-8001と同じで、SHIFTキー併用で使うものだ。はっきり言って、ものすごく使いにくい。むしろ、SHIFT+テンキー2468で十字配置カーソルキーになった方が便利である。
PC-8801ではカーソルキーが右SHIFTキーをL字に囲むように配置され、FM-8、FM-7、FM-77シリーズはテンキーの上に配置された。FM-11はフルキーとテンキーの間に田の字型に配置されたが、上段「↑」「↓」、下段「←」「→」という変則的なものだった。
現在でも、NECやMacintoshが縦1/2の変則サイズキーにする等、苦心されている。コンパクトで使いやすいカーソルキーの配置には、今なお決定的解決策がない。


MZ-700の位置づけはローエンド・ホビーパソコンで、PC-6001の対抗機だろう。
高機能パソコンMZ-2000、X1、PC-8801との住み分けを考えれば、グラフィック機能が無いという欠点も受け入れられる。しかし、高機能なFM-7が12万6000円で登場したため、ローエンド機というジャンルそのものが危うくなってきた。