●企業の新陳代謝 | サンロフトの本とテレビの部屋

●企業の新陳代謝

●企業の新陳代謝
過去の栄光が忘れられない。
というのは、個人には当てはまっても、企業にはあまり当てはまらないようだ。


ミサワホームでは、1970年代後半~80年代前半の初期「GOMAS」はもう過去の存在であり、今日の企画住宅に影響を与えてはいない。
という話は、ベストセラーO型の名を関したリバイバルモデル「Smart Style O40」が出た2007年の頃に言われていた。ネーミングとは裏腹である。
私が今の家を建てるため検討した1993年夏頃には、既に地元ディーラーでは初期GOMASに関する知識はほぼ失われていた。大半のモデルのカタログ・資料等も残っていないと言っていた。そう、たった10年で何もかもが入れ替わっていたのである。


シャープでも、最近の「光センサー液晶パッド」のメビウスはともかく、MURAMASA等、全盛期のメビウスについては、ほとんど忘れられているんじゃないかな。
いわんや、MZ-80~X68000のような1980~90年代前半の話など持ち出しても、何の意味も無いと思われる。


21世紀以降、非常に難しい時代になった。
20世紀的な考え方なら、シャープへの要望は単純だ。
どうせ電子書籍はコケる(軌道に乗るとしても数年後だろう)ので、GALAPAGOSは電子書籍抜きでも楽しめる製品にしてほしい。
アンドロイドアプリもそうだし、処理速度もそうだ(スピードはシャープの伝統というのは通じないか……)。シャープ独自の機能も当然必要である。類似の電子書籍ビュアーが出揃ったとき、選ばれる要素になる。先行したのに出し抜かれる愚は、繰り返したくない(何十年前の話だ!)。


カセットテープのウォークマンの生産が終了したというニュースがあったが、これも、現在のウォークマンとの連続性は無いのかもしれない。
私も、一つのピークを迎えた時期のウォークマンを持っていた。ちょうど、筐体がカセットテープ・ケースとほぼ同サイズになった頃である。録音再生モデルだった。当時、再生専用モデルも出ていたが、結構な金額を出すのに再生専用を選ぶ人がいるとは、意外であった。
ダブルカセット(筐体の両面が開く)のウォークマンも出ていて、欲しかったが、さすがに買わなかったなぁ。
MDウォークマンが出る頃には、MDダブルのような遊び心のある(バカバカしいともいう)モデルはもう出なくなっていた。あの時点で、「物」が面白い時代は終わりつつあったのかもしれない。
今のウォークマンに面白みが無いのは、物が輝かない時代になったからか、それとも、カセットテープ時代のウォークマンがソニー社内で忘れ去られたからなのか?