【パソコン狂時代】5 ●PC-6001前夜 | サンロフトの本とテレビの部屋

【パソコン狂時代】5 ●PC-6001前夜

【パソコン狂時代】5 ●PC-6001前夜


1981年10月下旬。漠然とだが、パソコンを買うことが決まった。
PC-8001は専用ディスプレイが必要だが(厳密には違うが)、PC-6001はテレビにつなげられる。値段もPC-8001の16万8000円に対し、PC-6001は8万9800円。実売価格の違いなど考える意味はない。当時は定価販売しかなかった。


表示文字数は80×25に対し32×16しかないが、グラフィック機能とサウンド機能は上。カセットインターフェースも600ボーに対し1200ボーだ。電卓のようなオモチャっぽいキーボードを我慢すれば、PC-6001の方が良いという結論に至った。
テレビは一足早く、14インチのを3万7800円で買った。いや、これも金額が定かでない。3万円台後半なのは確かだ。ほんの2、3年前まで16インチが10万円ほどした。


PC-6001に決まる前に、いくつかカタログを集めた。パソコンが置かれているショップも無い(知らない)のに、どこで集めたかは覚えていない。パソコン雑誌の記事等も参考に、10万円前後の機種をピックアップした。
シャープMZ-80Bは高価なので、MZ-80K2。富士通マイクロ8(FM-8)は高価なので却下。APPLE IIも高価なので却下。コモドールVIC-1001はオモチャっぽいので却下。日立ベーシックマスター・レベル3は高価なので、ベーシックマスターJr。だが、同じ値段のPC-6001の方がスペックが上。小さなグリーンディスプレイ一体型のCASIO FX-9000Pも、候補に挙がった。
この時点では、まだシャープX1、松下のJR-100、MSX等は無い。東芝PASOPIAは出ていたかどうか微妙だが、やや高価なので却下だろう。


1981年11月初旬。
父とパソコンの展示会へ行く。PC-6001を見るためだ。
かなり狭い部屋に、10台ほどのパソコンが並べられていた。
ベーシックマスター・レベル3で、640×200ドットの高解像度グラフィックで線画の戦闘機が表示されていた。
その他に、PC-8001や高価なビジネスパソコンがあったと思うが、肝心のPC-6001が見当たらない。発売が遅れていたのだ。今、予約すれば発売時に引き渡すというので、現物を見ないまま、その場で予約した。既に10件以上の予約が書かれていた。
ほとんど変化の無いマイナーチェンジを繰り返す現代のPCとは違う。未知のマシンを現物も見ずに買うなんて、今思えば無謀であった。