●今週のクールなプラン108、ミサワホーム GENIUS彩日の家 | サンロフトの本とテレビの部屋

●今週のクールなプラン108、ミサワホーム GENIUS彩日の家

●今週のクールなプラン108
何ヶ月ぶりかになる。
『「朝の家」の考え抜かれた間取りに感心しました』のタイトルが気になって、見てみた。
一見ありがちなプランだが、なるほど良く練られている。


系統としては、リビング階段の変形である。玄関から直接リビングに入るプランでは、リビング内に洗面所やトイレの入り口が来てしまいがちだ。

多くの場合、キッチンの奥にサニタリーをまとめるか、トイレドアの前についたて状の壁を設けるか、LDKを入り組んだ形にして、リビングからトイレドアが死角になるように配置する。
その他に、リビングとサニタリーの間にワンクッション置くという方法がある。奥行き3尺でもドアが2枚になれば、音や視線をカットできる。そこに階段まで入れてしまう例も多い。ずばり、このプランだ。


玄関ホールと階段・サニタリー・ホールが重複しスペースを無駄づかいしそうだが、ここでは、玄関ホールから階段、サニタリーへアクセスできるように入れ替えても、デッドスペースは消えない。消えないどころか、効率が悪くなってしまう。
ミサワホームO型等でおなじみの1.25間幅の構造が、広々した1.25坪の浴室と洗面所と、リビングの収納を実現している。


2階では、1.25間幅の構造は消えるが、フリースペースを2つの子供部屋に区切った場合も、動線・採光ともに無理がない。


関連ページ  無印良品『「朝の家」の考え抜かれた間取りに感心しました』


●ミサワホーム GENIUS彩日の家
最も注目したのは、「テキスタイルフロア」による「床座リビング」である。
1970年代後半~80年代初頭にかけて、ミサワホームの企画住宅の床は、カーペット貼りだった。洋間はもちろん、ホールや(モデルによっては)階段までカーペットが貼られていた。
その後、フローリングが主流になると、どのハウスメーカーもフローリングしかやらなくなった。コルクや竹というのもあったが、まず使っている人はいない。


フローリング以外となると、畳の和室ぐらい。家がつまらなくなった要因の一つだろう。
かといって、カーペットを貼ったまま20年も30年も使うのは抵抗がある。そこに、「テキスタイルフロア」なる新床材の登場だ。
玄関ホールから、いきなり「テキスタイルフロア」が貼られ、「SUKIYA」の畳敷きの玄関ホールを思わせる。
関係はないが、うちも「床座リビング」である。和室の生活が長かったので、洋間にソファーはなじめなかった。現在の家を建てた時も、初めから「床座リビング」を想定した。
再び、ハウスメーカーが新たなライフスタイルを提案する時代が訪れるかもしれない。期待している。


2階子供部屋の1畳大の床下収納みたいなものが、上からアクセスする「KURA」の正体だった。入り口の開け方次第だが、やや使いにくそうだ。開口部が大きい(長い)のは、立ったりしゃがんだりを繰り返せるようにだろう。
私は以前、考えた。腰を痛めないような「KURA」。それは、立ったままアクセスでき、奥行きを3尺以内に抑えることだ。そうすれば、押入れの下段の感覚で使える。それでは、プラン上うまくないが、今回の床下収納スタイルはこのアイデアに近い。


この家の最もウリとなるのは、2階洗面所だろう。
↓のリンクの「インテリア」の右下メニューの一番下から見られる。
「KURA」のある2.5階建プランの2階にあるため、天井が高い。専用バルコニーを備え、洗面台正面が全面窓。窓の内側が棚になっているのも美しい。出来合いの洗面台ユニットではあり得ない。
ガラス張りの浴室(ミサワホームでは古くから定番だ)と、全面ガラスの洗面所との組み合わせは絶妙。入浴中に外が見える。六本木ヒルズ・レジデンス高層階の高級物件にあった手法だ。
洗面所の広さと、奥の一段高い1畳ほどのスペースは、同社の歴代モデルの中で最も贅沢だろう。


関連ページ  『ミサワホーム』「GENIUS 彩日の家」