『CORE MEMORY ヴィンテージコンピュータの美』 | サンロフトの本とテレビの部屋

『CORE MEMORY ヴィンテージコンピュータの美』

『CORE MEMORY ヴィンテージコンピュータの美』Mark Richards写真・John Alderman文・鴨澤眞夫訳/出版:オライリー・ジャパン/発売:オーム社/3570円


真空管からトランジスタ、IC、LSIと進化していったコンピュータ。しかし、磁気コアメモリのことは案外知られていない。
私事だが、高校時代に1970年代のミニコンや汎用コンピュータを使っていた。当時でさえ製造後10年以上経った骨董品であり、そこにコアメモリが搭載されていた。
ゆえに、この本のタイトルでピンと来た人は、ヴィンテージコンピュータを知っているに違いない。本文中には書かれていないが、それを意図した命名だと思う。


「ヴィンテージコンピュータの美」の副題どおり、古いコンピュータの外観や内部が美術品のように撮影されている。そのコンセプトは、前回書いた『団地の見究』とも共通する。見ていて感じるのは、機能美というより意図的に美を目指して設計されているということだ。
世界最初のENIACから、Macintoshまで。最後の方はもはや現代だが、あの頃まではコンピュータが美しかったように思う。何の変哲も無いフルキーボードの写真もあるが、これがまた美しい。今ではどこにでもあるし、デザインを凝らしたものも多い。にも関わらず、これに匹敵するモデルは少ない。


ただ、この本。昔のコンピュータを懐かしむには情報量も少なく、あくまで美しさを楽しむためのものだ。