『東京1950年代 長野重一写真集』 | サンロフトの本とテレビの部屋

『東京1950年代 長野重一写真集』

『東京1950年代 長野重一写真集』岩波書店/3360円


さすがに1950年代に入ると、もう焼け野原の景色は無い。しかし、わずか半世紀前とは思えない古びた町並み。中でも、六本木、麻布、表参道、渋谷、新宿あたりのギャップは大きい。建物がすべて低層で、道ばかりが不自然に広い。その広さは都電が走っているからだが、現代の広い歩道と渋滞の車で埋まった道とは全く違っている。
浅草寺本堂の再建工事の写真には、驚いた。屋根の形状そのままに鉄骨が組まれており、構造的には全く木造ではないことが明らかだ。
私事だが、1970年代によく見た東京の町並みは、この1950年代より現代に近い。現代の超高層ビルの建設ラッシュより、戦後復興から高度成長期の方が勢いが凄かったのだな。
尚、写真はすべて白黒である。