『暴走する「地球温暖化」論 洗脳・煽動・歪曲の数々』 | サンロフトの本とテレビの部屋

『暴走する「地球温暖化」論 洗脳・煽動・歪曲の数々』

『暴走する「地球温暖化」論 洗脳・煽動・歪曲の数々』武田邦彦、池田清彦、渡辺正、薬師院仁志、山形浩生、伊藤公紀、岩瀬正則著/文藝春秋/1600円


「地球に再び氷河期が訪れる」。かの『ノストラダムスの大予言』で、人類滅亡の原因の一つとして挙げられていたものだ。「大予言」とされたものは、政治批判が許されない絶対王制の時代の風刺集に過ぎなかった。それが、時代時代に応じた社会問題と絡められ、終末論が出来上がったのである。中でも、日本では、1970年代の五島勉による『ノストラダムスの大予言』シリーズは、インパクトが大きかった。
彼によれば、氷河期の他に、大震災、核戦争、環境汚染、(防腐剤等による)食物汚染、宇宙での異変(惑星直列、ハレー彗星、グランドクロス等)、聖書等の予言が、人類を滅亡させる「恐怖の大王」の候補とされた。今では、単なるオカルトとみなされているが、氷河期や核戦争は、当時、有識者も真剣に捉えていた。


なぜ、こんなことを書いたかといえば、アル・ゴアの『不都合な真実』は、そうした20世紀末における『ノストラダムスの大予言』とよく似ているからだ。主張が真逆なのが面白い。また、科学的な検証も行われないまま、彼にノーベル平和賞を与えてしまうことへの危機感は、ほんの10年足らず前の人類滅亡騒ぎ以上である。
北極の氷が融け、白熊が立ち往生している映像などは、まさに映像のトリック。地球が温暖化と寒冷化を繰り返していることは、歴史にも残っている。緑に覆われたグリーンランドが氷結していく過程でも、たくさんの動物が死に絶えていったことだろう。


この本には、近年、マスコミで繰り返し宣伝されている地球温暖化のウソが書かれている。もちろん、反論はあるだろうし、資源リサイクルだってうまくやっている地域もあるだろう。しかし、これぐらい過激な否定があってもいい。


なにしろ、最近の地球温暖化論には、恐怖すら感じる。カーボンオフセット募金などは霊感商法そのものだし、エコ活動で地球環境が再生するというオカルトまがいの考えを持っている人さえいるようだ。


植物プランクトンの大量発生ビジネスなど、役に立たないばかりか環境や生態系の破壊につながりそうなプロジェクトが、数多く進行している。環境保護のために環境を破壊し、人類が滅亡するとすれば、宇宙に稀に見るバカな文明という評価を受けるだろう(宇宙人が見ているとすれば)。核戦争による自滅より愚かしい。


日本の環境技術は既に世界最高水準にあり、二酸化炭素排出量の削減はほぼ不可能。これが何を意味するかといえば、ロシア等から「排出権」買って、京都議定書の目標値をクリアする羽目になるということだ。その費用、実に2兆円オーバー!!!
湾岸戦争への資金提供、東京アクアライン、首都高速地下移設等、ムダ金をつぎ込んだことは数知れないが、この2兆円は戦後最大のムダづかい。ホント、戦後日本は、世界の強国に食いものにされている。