『藤森照信の原・現代住宅再見(3)』藤森照信/下村純一 | サンロフトの本とテレビの部屋

『藤森照信の原・現代住宅再見(3)』藤森照信/下村純一

『藤森照信の原・現代住宅再見(3)』藤森照信/下村純一著 TOTO出版 2520円

『原・現代住宅再見』第3弾の登場である。住宅雑誌のようにプランと写真を並べただけか、ほとんど文章だけの住宅論か、どちらかに偏りがちだが、この本は豊富なカラー写真とともに細かい解説もなされている。
一見すると流行の狭小住宅だが、実はかなり難解な妹島和世の『梅林の家』。玄関を入ったとき、最も住宅らしくない住宅と思える原公司自邸。各部屋(浴室も!)がバラバラの建物になっている西沢立衛の『森山邸』。様々なメディアで紹介されてきた有名現代住宅が並ぶ。その点での新鮮さは無いが、それぞれがどういう成り立ちなのかは知っておきたい。
これら、若手建築家による住宅を自閉症小住宅と著者はいう。また、それ以前のモダニズム住宅と対比させえてアナーキズム住宅と呼ぶ。モダニズムがマルクス主義の影響を強く受けていたと言われても、確かに我々の世代にはもうピンと来ないよなぁ。