『切手で旅するヨーロッパ』 | サンロフトの本とテレビの部屋

『切手で旅するヨーロッパ』

切手で旅するヨーロッパ
山田 庸子著 ピエ・ブックス 1680円
以前ここに書いた『Stamp stamp stamp Europe/同(2)』と似たような趣向の本。不思議なことに、セレクトされている切手の傾向も似通っている。写真や絵画ではない、ベタのカラーを組み合わせた図案。そして、1枚が単独で発行されたものではなく、シリーズもので数枚セットになった切手ばかりだ。旧チェコスロヴァキアやスウェーデン等、凹版多色刷りの切手が拡大されて、質感が伝わってくる。
こういう本が次々出てくると、新しい切手収集の形が出来てきたという期待もできる。切手ブームの頃も含め、見た目だけでセレクトするという本は恐らく全く無かった。いや、無かったわけでもなかろうが、切手収集の入門記事もセットになっていたので、趣は異なる。そう。これらの本に共通するのは、収集の手段や整理の仕方について触れられていないこと。言い換えれば、集めるという視点が無いのだ。それでは、切手収集にはつながらないのかもしれない。