「三国志演義」3ー2 | 世界文学登攀行

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世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。

第66回~第70回(P135-242)

三国志演義を読んでいると、意外な気分になる人たちがでてくる。
それが仙人というか、仙術を身に着けた人たちである。

この人(仙人?)たちは、ものすごい術を習得していて、物語内でも披露する。
その術を駆使すれば物語内の世界観が崩壊するくらいとてつもないものである。

ところが彼らは、それをしない。
なんで出てきたん?というほどしかつめあとを残さない。

不思議なのは、この仙人が出てくる回、結構面白いのだ。
話しがむちゃくちゃなんだけど、テンポがあって読みやすくて。
三国志演義は、巷間で流布した物語の断片をつなぎ合わせて一つの大ストーリーにまとめあげたものであるから、元ネタはあったに違いない。
仙人対仙人の妖怪大戦争みたいなものを、現実的な物語におさめたらちぐはぐなものになっただけ、なのかもしれない。

物語もだいぶ落ち着いてきた。
吉川英治は、ある英雄の死をもって、もう物語には魅力を感じないからといって、ストーリーを端折って紹介して終わりにしてしまったが、案外、英雄たちにご退場いただいた方が、英雄を活躍させる必要がないから、文章が地に足ついて面白くなるのかもしれないななんてことを思った。
まあ、そんなのまだまだ未来の話しであって、多くの英雄たちは健在である。