渡辺克義「物語 ポーランドの歴史」 | 世界文学登攀行

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世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。

物語 ポーランドの歴史
――東欧の「大国」の苦難と再生


本当はこの本を読み終わったのは、サッカーワールドカップロシア杯で、日本とポーランド戦の直後であった。
珍しく、時流に乗った記事が書けるとほくそえんでいたのに、このていたらくである。
プレッシャーに弱いというか、なんというか。


ドイツが独ソ不可侵条約の下、ポーランドに侵攻して第二次世界大戦が勃発した。
逆にソ連が起こした、ポーランド人将校を大量に虐殺したカティンの森事件というおぞましい歴史がある。


ポーランドはなぜ、ドイツとソ連に挟まれて、こんなにひどい目に合うのか。
個人的に興味のある国ではあった。


そもそも、ポーランドの歴史というのは、近隣強国に引き裂かれた受難の歴史であったという。
こういってはその国の人たちに対して不謹慎にあたるのかもしれないが、起伏に富んだ一国の歴史がそのまま面白い読み物となること自体は、稀有なことである。


アウシュビッツもワルシャワも、本書を読んでポーランドのことだと知り、知識不足を痛感したのと、これで一つ、ポーランドという国が自分にとって身近な国になったということが、大きな収穫であった。


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