デフォー「ロビンソン・クルーソー」2-4 | 世界文学登攀行

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世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。


P311-420


物語は、ロードムービーの様相を帯びている。
詳しく書くとネタバレになってしまうので書かないが、イギリスを出航した船が、アフリカを経由して、今で言う東南アジア、中国までやってくる。
なんと中国でロビンソン・クルーソーは日本人にも会っている。
海外の作品で日本が出てくるとむやみにうれしくなる。


ちなみに、当時の評判は「日本人は嘘つきで残酷で陰険な国民だ」(P408)そうである。言うやん。


ロビンソン・クルーソーは、世界のどこに行こうと安寧の時は訪れない。
様々な苦難にあいながらも、機転と勇気で、乗り越えていく。
実は、こっそり耳にしていた情報だと「ロビンソン・クルーソー」上巻は面白いけど、下巻はちょっと、という評判があって、まあそんなものかもしれないなと、上巻を読み終わったときには思っていた。
でも、下巻も、悪くはないなと思う。


上巻下巻を通じて説教臭いのは相変わらずで、そういう意味では首尾一貫している。
小説的な面白さもさることながら、18世紀に世界に乗り出そうとしていたイギリス人の高揚感が伝わってくるのがとても面白い。
アジアの海で遠く陸地を眺めながら航海をしていると、世界の風を肌に感じることができる。
この心地よさを感じられることが、下巻の醍醐味であるような気もする。