イリアス(ホメロス)上-1 | 世界文学登攀行

世界文学登攀行

世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。


第一歌(P1-40)


物語は「民を統べる王アガメムノンと勇将アキレウスとが、仲違いして袂を分つ時より」(P11)語り起こされる。
冒頭からいきなりのクライマックスである。


予習が生きていて、すっと読める。
文章そのものはわかりやすく、物語の世界に入ってしまえば面白く読めると思った。


アガメムノンとアキレウスという誇り高き両雄が、一歩もひかずに意地を張り通す場面は緊迫していてするする読める。
これまで半年近く読んでいたのが源氏物語だったということもあって、好対照であるなあと個人的には思った。


人間同士の戦争に、オリンポスの神々が加わり、一気に世界が広くなる。
ギリシア神話には造詣が深くないが、ゼウス、アテネ、アポロン、アフロディーテなど、聞いたことあるからうれしくなる。
最近は、ゲームでヘパイストスという言葉を知ったが、これは火の神様なんだなあとか。


だいぶ前に「イリアス」に挑戦しようと思ったときに、事前にギリシア神話を勉強した方がいいのかなとか(できなかったけど)、いろいろ迷走をしてしまったけれども、プロローグだけ知っておけばよかったのかと今さら後悔している。
ほんの数ページのことだから、付録としてプロローグだけつけてくれればいいのに。(解説にあるのかもしれないけど、そっちは読んでない)