アンニョンハセヨ~
この作品と『青春ウォルダム』を目当てにLeminoにお試し加入してみました
約3年前に韓国ドラマを観始めた頃、VODサービスといえばネトフリ、ユネクの2強だった記憶ですが、今は選択肢が増えたんですね~。
この作品で主人公がタイムスリップする時代は、1980年代後半からの十数年間。
大好きな『応答せよ』シリーズで見た、ソウルオリンピックや通貨危機、ソテジワアイドゥルなど、韓国の現代史&文化を追体験できたような満足度もあって、楽しく視聴できました。
But!! 面白かったわりには理解が及ばない部分が多かったので、満足度は★4つでした
※画像は公式ポスター(namuwikiをスクショ)
■視聴時期
2023年9月
■お気に入り度(5点満点)
★★★★
■視聴方法
Lemino(全16話)
■放送開始年
2022年
■放送局
JTBC
※以下はあくまでもkabo個人のたわ言です。ネガティブ感想もありますのでご容赦ください。
※以下よりネタバレありです。
【 満足点・共感点】
1.「再現キャラマスター」が演じる会長
イ・ソンミン氏が演じた会長のキャラが圧巻でした!
映画『KCIA 南山の部長たち』でも閣下のキャラ作りがすごくて、途中まで“ミセンのオ課長”とは気づかなかったんですけど、今回も「ほんとにオ課長??」と混乱しました。
モデルとなったといわれるサムスン創業者は、物語のタイムスリップ元年となる1987年に死去しているので、厳密には再現キャラではありませんが、南部訛りで癖のある話し方や姿勢、目つきなど、かなり再現性が高かったのではと想像してしまいます。
というわけで、自分的にイ・ソンミン氏は、再現キャラマスターに決定です
巨大財閥創業者としてのカリスマ性や威厳は震えるほどの迫力でしたが、豪快な喜怒哀楽は人間味にあふれていて、秘書が献身的に支え続けた忠誠心や、ドジュンがその経営手腕とカリスマ性に惹かれていく気持ちに共感できました!
そして、瞬き1つだけでも認知症を患っていることがわかる、後半の“老い”の演技にも圧倒され、エレベーターでの粗相は忘れられないシーンとなりました。
2.社畜のチート復讐劇が痛快
「殺されてタイムスリップした主人公の復讐劇」ということで、視聴前はファンタジー系なのかと思っていましたが、復讐方法は完全に現実路線でめちゃくちゃ面白かったです。
タイムスリップという設定こそファンタジーだけど、未来を知っている強みで、(表面上は)正攻法で次々と株取りゲームの勝者になっていく、現実的な復讐劇が痛快
暴力を使わない復讐を、同じ社畜として疑似体験できて、心地よいサイダードラマでした
さらにすごいなと思ったのは、ドジュンの選択や行動が、その立場やキャラクターから、“ドラマ内では”それなりに根拠を伴うものになっていたことでしょうか。
復讐相手や投資会社仲間から見て、復讐方法がそこまでファンタジーな事象になっていなかったのが見事でした。
3.生まれ変わり設定の妙
未来を知っているドジュンの華麗な復讐劇も面白かったですが、それ以上にあっと言わされたのが設定の妙した。
最初の2話で一気に物語の世界へ引き込まれ、最後の2話は、その種明かしに唸りました。
ドジュンを殺したのが、まさかヒョヌだったとは
贖罪のために生まれ変わったという設定も面白い
ラストも、ヒョヌが検事のミニョンと安易にくっつくことなく、このドラマの放映年(2022年)とソテジ30周年がリンクして幕を閉じる、という設定が素晴らしかったです!
4.財閥=悪とは言い切れない⁉
韓国ドラマでは「財閥=悪」と表現されることがほとんどですが、財閥側、特に創業者視点の経済貢献エピソードが新鮮でした。
もちろん「善」とは言い切れませんが、韓国の経済成長を担ってきたのが財閥中心だったことは否定できない事実でしょうし。
そして、財閥一族に使い捨てられたヒョヌが、ドジュンとして生まれ変わることで権力側(祖父)の理屈を知り、時には共感要素も感じて、いつのまにか彼も“そっち側”の人間に見えたことも面白かったです。
ドジュンがあのままドジュンとして生きていたら、彼はヒョヌに戻りたいと思うのか、興味があります!
また、権力者の理屈としてなるほど!と思ったのが、
雇った人間を満足させてはいけない。自分が主人だと思うから。
復讐は、力のある者がすること。
下層国民の社畜として肝に銘じたいと思います
5.2代目以降は同情の余地なし
それなりに共感・尊敬できた創業者とは違って、2代目以降は、そろいもそろって同情の余地なしで、サイダードラマの満足度を上げてくれました
次男と長女はもはやギャグキャラクターになっていたけど、長男は単なる無能なので笑えねーーー
長男&孫の愚かさは、偉大な創業者を父&祖父にもつ後継者としてのジレンマを差し引いても同情できず
お金や権力は相続できても、経営の才能やカリスマ性までは引き継げないものなんですね。
でも現実的には、それでも無理やり相続しているから、社会構造にゆがみが発生してしまうんでしょうけど
【モヤモヤ点・不満点】
■復讐過程が難しい
すごく面白く視聴したのに満足度が★5つにならなかったのは、株式保有や経営権などに左右される権力の構図が難しかったから
わたしは、政治、経済、経営などの知識が小学生並みなので、攻防の詳細を全部理解することができませんでした
■キャストの年齢
ドジュン(おそらくヒョヌも)は1978年生まれ、タイムスリップ期間は1987年~2004年の17年間(9歳~26歳)です(kabo算出なので誤りでしたらすみません)。
大学生役のソン・ジュンギ氏、お肌ツルツルで全然違和感なくて素晴らしかったですが、ご本人の癖なのか若さの演出なのか、唇を内側に入れて口角を上げる表情がちょっとわざとらしく感じてしまいました(ファンの方すみません)。
でもこの表情、子役のキム・ガンフン君もしていたから、演技を合わせるためだったのかな。
おかげで、2人の顔のタイプは全然違うのに、同一人物として違和感なかったのはすごいです
個人的な意見としては、ストーリーのメインが10~20代のドジュンなので、20代の俳優さんを起用して、最初と最後に老けメイクをさせたほうがもっとよかったのではと思った次第です。
■キャラの経年劣化の差
キャラによって、現代と過去のビジュアルに、かなり差があるのが気になりました。
孫夫妻と次男娘なんて、ほぼ変わってなかったし。
あ、でもお金がある&現代の最先端美容技術で、若さと美貌キープという演出だったのかも
■ヒロインが物足りない
メインが恋愛ものではないから仕方ないけど、ヒロインの存在感が薄かったです。
『賢い医師生活』で大好きだったギョウルなので、そのキャスティングが決まった時から楽しみにしていましたが、ちょっと期待外れだったかなー。
ヒョヌとの間に恋愛関係は芽生えなくてよかったけど、これからも死別した恋人を想いながら生きていくという結末も悲しい
■細かい整合性を考えるとモヤる
満足点に「設定が面白かった」としたので、真逆のことになりますが、タイムスリップの整合性について考えるとモヤりました。
ヒョヌ母の死因をはじめ、タイムスリップしたことによって変わってしまった未来の回収があまりなかったような。
あと、事の発端となった隠し財産の真相も、よくわからなかったです。
初代からドジュンが引き継いだ隠し財産は、ドジュンの死後、長男が見つけて引き継いだということなのかな??
食いしん坊センサーが過剰な自分は、久々にクリスピークリームドーナツを食べました(ロッテ会長の有名エピソードらしいですね)
どうでもいい話ですが、まだ新宿の店舗が大行列だった2007年、韓国旅行した際に初めてクリスピークリームドーナツを食べた思い出があります
ではまた
※関連投稿をリンク