アンニョンハセヨ~ニコ

 

先週から「二十五、二十一」を視聴中なのですが、全然ハマれなくて苦戦中です笑い泣き

 

途中下車も考えましたが、5月22日に開催されるオンラインロケ地ツアーへ参加したい気持ちと、物議をかもしている(?)最終回を確認したい気持ちが勝って、なんとか視聴継続中。

 

 

そんな苦戦中の気分転換に、韓国ドラマに関する本を読みました(図書館で借りました)。

 

 

人生を変えた韓国ドラマ 2016~2021

著者:藤脇 邦夫
出版社:光文社 (新書)
発売日:2021/11/17

 

 

 

長い間韓国ドラマやアメリカドラマ(および映画)を視聴されている視点での解説や考察は参考になりましたが、著者は1955年生まれの男性なので、作品や俳優、OSTの感想や見解は、自分と少し違うなと思うこともありタラー

 

また、作品の感想が大半を占めているため、ネタバレなしとは書かれていますが、未試聴の作品については読んでいません(つまり読む箇所が少なかった)。

 

なお、取り上げている作品も著者の好みが全開なので、いわゆる王道のラブストーリーやラブコメはほぼありません(そりゃそーだ泣き笑い

 

 

そんな中でも、ケーブル局にまつわる解説等が興味深かったので、少し覚書(以下、敬称略)。

 

 

■ケーブル局の台頭で、世界トップレベルのドラマを制作する国に

従来の地上波3局( KBS、MBC、SBS)に加えて、2010年代よりケーブル局が台頭。

 

2010年代は韓国ドラマにおけるルネサンス期で、特に2018年前後に傑作が多い。

 

その転機の代表が「応答せよ」シリーズと「ミセン」。

 

地上波作品は概ね韓国人向け、ケーブル局制作かつVOD決定済の作品は、輸出向けの内容。

 

かつて地上波で活躍していたスター俳優たちが、新たな活躍の場をケーブル局へ移行している。

 

1997年のアジア通貨危機を経て、内需に限界のある韓国経済において、Kエンンタメは有力な輸出コンテンツとして政府が戦略的に育成した産業。

 

※kaboメモ

韓国でテレビ局が民営化されたのは1990年代に入ってからということを考えると、たった30年でこれだけの傑作・良作を生みだしているのは本当にすごい!

 

 

 

■3大ケーブル局の特徴

tvN

バラエティ番組をドラマ化したともいえる「応答せよ1997」(2012年)で、韓国ドラマの新機軸を開拓したパイオニア。

企画ありきの考え方は、特定の俳優をキャスティングしなくてもドラマ制作を可能にした。

例:「応答せよ」シリーズ、「ゴハン行こうよ」など。

 

※kabo補足

上記以外にも、「トッケビ」「ミセン」「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜」「愛の不時着」「賢い医師生活」など。

 

 

OCN

映画的な世界観を連ドラ化したものが多く、再編すればそのまま劇場映画になり得る。

地上波ドラマでは企画されない社会問題(臓器売買、新興宗教、権力の不正 など)をテーマにしているものが多い。

例:「バッドガイス」シリーズ、「ボイス」シリーズなど。

 

※kabo補足

同局はそもそも映画専門のテレビチャンネルで、上記以外にも「悪霊狩猟団: カウンターズ」「サーチ」など。

 

 

JTBC

視聴者ターゲットは40~50代、地上波の家族ドラマでは扱わない“新しい夫婦関係”等を描く。

親会社が新聞社のため、社会記事的テーマ(夫婦、家族。会社の人間関係)の作品が多い。

例:「SKYキャッスル」「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」「夫婦の世界」など。

 

※kabo補足

上記以外にも「恋愛体質〜30歳になれば大丈夫」「まぶしくて」「梨泰院クラス」など。

 

 

※kaboメモ

局の特徴やスタンスから考えると、例えばJTBC「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」は単なる恋愛ドラマではなく、会社のパワハラやセクハラ問題、現代人の結婚を妨げる親世代の偏見や格差など、社会問題を提起する作品であったことに気づかされました。

 

というわけで、今後拙ブログで感想を投稿する際は「局」と「放送開始年」も書きます(追々、過去記事にも追記します)。

 

 

 

■ケーブル局ドラマの興隆で個性派俳優が開花

 

ケーブル局の興隆でドラマの制作本数が圧倒的に増えたことで、個性派俳優たちの活躍の場が広がった。

 

ユ・ジェミョンのように、それまで脇役が多かった俳優でも主役級のキャスティング(「梨泰院クラス」)になる可能性も。

 

ほかに、ソン・ドンイル、チェ・ムソン、ラ・ミラン、キム・ソニョンなど、著者が「応答せよ」シリーズ&「賢い」シリーズを高く評価しているので、主にシン・ウォンホ監督作品に出演した俳優が多く紹介されていました。

 

それ以外ではチョ・ジヌン(「シグナル」)、パク・ウォンサン(「知ってるワイフ」)、イ・ジュニョク(「ストーブリーグ」)、オ・ジョンセ(「サイコだけど大丈夫」)、イ・ハナ(「ボイス」)、ソ・ジヘ(「愛の不時着」)、キム・スジン(「ミスティ」)など。

 

 

 ■著者の考察で面白かったもの

 

●賢い医師生活

悪人が登場しない代わりに、主人公たちが戦う絶対的な悪として、疾病の存在がある。

 

●刑務所のルールブック

「主人公=神」と置き換えると、聖書のメッセージ(悔根・原罪・贖罪・救済・献身・犠牲・寛容・博愛)が随所にあり。

刑務所は「地獄」を表現?

 

 

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本書で、韓国ドラマの特徴が語られるうえで何度も登場した言葉が「情感」

 

まさに自分も、本書のタイトルのように、韓国ドラマに人生を変えられつつあるわけですが、その最たる魅力が各作品にあふれる「情感」なんろうなと納得。

 

といわけで、現在視聴中の「二十五、二十一」も情感あふれるラストであることを期待したいです。

 

ではまたバイバイ