ラグビーボールで遊ぶ

叔父さんからのクリスマスプレゼントでラグビーボールをもらったアトくん。

よほど気に入ったと見えて肌身離さず持ち歩き、寝るときさえ枕元に置いている（笑）。「キャプテン翼」状態だ。

僕もラグビーボールがどんなものか気になっていて（実物に触ったことがない）、アトくんへプレゼントを口実に買うつもりだった。

先を越された格好だ。

厚い皮製で楕円に縫われたボールは、なじみ親しんだ球形のボールとは持ったときの感触がやはり大きく違う。

ふーん…こんな感じなんだ。

軽く放ってキャッチして重さを確かめる。デクラーク選手みたいに指先でくるくる回せるか試してみたが、重いし、不安定で、全くうまくいかない。

大学ラグビーを観たあと、アトくんと公園に行き、キャッチボールしてみた。

楕円に尖った部分で見事にすっぽ抜ける（笑）。

もともとスポーツに縁が無いし、運動神経も悪いので、うまく捕れないのは仕方ない。

だが問題はその後。

不規則にバウンドして、落ちた後の再捕球がままならない。

一回落としたボールがあちこちに跳ね、まっすぐ行くかと思うと戻り、戻ったと思うと今度はまっすぐ転がる。

…話には聞いていた。

先に例に出した「キャプテン翼」にも、主人公のライバルでゴールキーパーの若林くんが特訓のときにラグビーボールを使い、普通のボールとは全く違う跳ね方をする場面が出てくる（ほんのワンシーンだけど）。

そういう知識があるのでさほど驚くことはないはずなのだが、まぁ「キャプテン翼」は漫画だから誇張しているだろうし、ワールドカップの試合では「自分で蹴ったボールに走って追いつきキャッチする」なんてプレイも観ていたから、まさかこれほどあちこちに跳ねるとは思っていなかった。

いやぁ…これはすごい。

実物を持たなければわからなかったことだ。

こんな風にして冬のさなか汗だくになりながらボールを追いかけた。

「お父さん、明日もやろうね！」

帰り道、晴れやかな笑顔のアトくん。

軽くキャッチボールしただけで疲労困憊の初老の父カゲオは、即座に「うん」とは言えず、こお先まだまだ体力が必要だなぁ…と痛感するのであった（笑）。

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