むーちゃんは毎週土曜、チアの教室に通っている。
むーちゃんは幼稚園の頃からダンスが大好きだった。
幼稚園の運動会でやったダンス「ドラゴン太鼓」は、
幼稚園の中でも一、二を争うほど上手だった。
ただの親バカかもしれないが、それはさておき(笑)、
上手だったのはちゃんとした理由があった。
それは他の誰よりもずっとずっと多くの時間、ダンスの
練習をしていたからだった。
惜しまず努力すれば、結果は出る。
少なくとも努力しないよりは確実に。
決してリズム感覚が優れているわけでも、運動神経が
いいわけでもないむーちゃん。
でもこんなにダンスが好きで、努力できるなら、習うのは
悪い事じゃないよな~と思っていた。
発表会では、他のみんなと一緒にがんばって踊った。
さすがに幼稚園の時とは違い、周囲のみんなもうまい。
でもボクの目には、誰よりも輝いて見えた。
「友達ができないから、もう通いたくない」
「上手に踊れない」
そうこぼすむーちゃんを、時になだめ、時に叱りつけ、時に
素人ながらに指導までしたマヨは、ボクの何倍も思い入れが
あるせいか、ステージに立つむーちゃんを見ただけでちょっと
泣きそうになっていた。
失敗したって、周りのみんなより下手だって、かまわないと思う。
そう話すと、マヨは「失敗はしてもいいけど、みんなより下手なのは
イヤ」と答えた。
「下手なのは、がんばってないからだよ。他の子より気合いが
入ってないからなんだよ。そんなのは許さない」
真剣にやって負けるのは仕方ないが、いい加減にやるのはダメ、と
いう事だろう。
フラワーデザイナーとして自立しているからこそのセリフだろうが、
言われて耳が痛いのはむーちゃんだけではない(笑)。
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