26_「青年」の主張 | 日陰で絵日記

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 …さてと。


 帰宅後、ボクはコーヒーを飲みながら、その日に議題となった事について、

 あらためて考えてみた。


 その時は流されて頷いてしまった事ばかりだが、冷静になってみると

 どれも安易には頷けない内容だった。





 1、会合のたびに振る舞われる飲み物を、購入する事をやめる


 …これはまぁ、悪い事ではない。


 自治会だろうがなんだろうが、組織を運営する為に常に心がけるべきは、

 「収入があれば収入を増やし、出費があれば出費を減らす」である。


 出費が減ればもっと大事なところにお金を回せる。

 そういう意味では、この点に関しては問題ないと言える。

 ただし…今まで振る舞われていたものが、今期になって急に「自腹で」と

 言われたら、反発する人もいるかもしれないが。






 2、町会連合からの脱退


 …連合の必要性がわからない以上、加入・脱退の是非についてボクは

 何も言えない。


 ただ気になるのは、マンションが建てられた当初から加入していたのであれば、

 加入のメリットがあるはずであり、脱退のデメリットもある事になる。


 …本当に抜けていいのだろうか?


 ワダさんの話だと、「連合の寄合」という名のもとに自治会費で旅行に行き、

 酒をかっくらって帰ってくるだけだという。


 「大切な自治会費をそんな事に使えない」


 というのがワダさんの考え方だが、本当にそれでいいのだろうか…?

 あまりに情報が少ないので、なんとも言えないが…。







 3、青年部の構想


 …これは何があっても阻止しなければならない。

 

 「青年部」と言えば聞こえはいいが、平たく言えばパシリ(使い走り)だろう。

 仮にも組織として名前がつこうものなら、

 「…こういうのは若い人の仕事だから、青年部にやってもらおうか」

 などと、わずらわしい事を押し付けてくるのは明らかだ。

 自治会の下部組織が欲しいだけなのは間違いないだろう。



 …マンションから古い入居者が出ていき、新しい(若い)入居者が入ってくる。

 そんな新陳代謝は、マンションの建物自体が「若い(築年数が少ない)」頃だけの話だ。

 建物の高齢化に伴い、住民もまた高齢化していく。


 うちのマンションも、例外ではない。


 古い入居者は年を取り、新しい入居者は入ってこない。

 つまり今いる住民が、等しく年を取っていくだけなのである。


 仮に今のボクが「若い人」であり、自治会の中核や他の住民がそれより10歳以上歳上だとする。

 つまりボクは彼らより10歳「若い」。

 

    日陰で絵日記-20120109_年代の推移

 現在以降ボクより「若い」入居者が入ってこないとしたら、

 10年後もボクは「若手」のままだ。


 60歳以上の群れの中にいる50歳は、やっぱり「若い」…。


 そう、「若さ」の基準は相対的なものであり、絶対的なものではないのである。


 一度「青年部」なんてものができてしまったら、抜ける事はできない…。

 



 これがたとえば、小さな村なんかで、
 

 『親父、青年部に行ってくるから後は頼むわ』

 なんてぇのならまだいいだろう。



日陰で絵日記-20120109_seinenbu

 仕事を切り上げて活動できるし、自分も子供の頃に「青年部」に世話に

 なってきたわけだから、持ちつ持たれつだ。



 しかしマンションではそうはいかない。


 ボクは5年前に入居してきただけだから、今の住民に「子供の頃に世話になった」

 わけでもなければ、世話をする義理もない。

 仕事も家族経営でやってるわけではないので、青年部を理由にボク個人の負担を

 減らせるわけでもない。



 共同体でも集団でもなく、「集合住宅」であるマンションに、青年部などいらないのだ。



 


 そう考えてから、はた、と思い当たった。

 時刻は深夜である。

 飲み物はすでにコーヒーからビールへと変わっている。


 ボクはPCを立ち上げ、ウィキペディアで「青年」を調べた。



 そして「青年」に該当する年齢は…ほとんどの場合、高くても39歳までである事がわかった。



 …そうだよね。

 相対的評価ではなく、絶対的評価を利用すればいいんだ。


 『青年部という名称を用いるのであれば、資格年齢を設ける必要がありますよね。

  それは20歳から39歳という事でよろしいでしょうか?』


 そんな風に一説ぶる自分の姿を想像した。


 …青年部の設立が防げない場合、最悪自分だけでも逃げ切ろう。

 41歳という年齢が、はじめて我が身に味方した。





 …だが、ウィキペディアに続く文章を見て、ボクは愕然とした。



 曰く、一部の組織では、若年層の減少から、

 40歳代も「青年」に含む場合があるらしい…。




 ボクは苦り切った気持ちで残りの酒を流し込んだ。



 <続く>  






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