昭和50年代。
中学の黒い重いチャリをひたすら漕いで、
2時間かけて浜松市中心街に遊びに行った。
中学校の教師が学生服着用で行けとおっしゃるので。
丸坊主で銀ブチメガネで学生服がはち切れそうな肥満児の俺は、
まるで小林亜星みたいだった。
当時は浜松中心街にはデパートがたくさんあって。
お金なしでも遊ぶのに困らなかった。
いまはないニチイデパートの階段の踊り場で椅子に座って天井を見上げた俺は。
確かに幸せだった。
もう帰らない昭和時代。
大切な思い出を幾つも手に入れた。
昭和40年代。
まだ小学生だった俺は、
テレビゲームも無かったから、
毎日日が暮れるまで外で遊びまくった。
もう遊びたくないと思うまで遊び倒した。
子供の頃の俺はおとなしい子供だった。
大人の言う事をきいて生きないといかないと自然と考えていた。
大人になって、
社会の矛盾がよくわかった。
みんな産まれた時からあるからと鵜呑みしてることがいっぱいある。
それが俺には歯痒かった。
産まれる前からある戦争を、
なぜ人間は止められないのだろう。
その答えが欲しくて、いつも考えている。
イチゴ・タングステン(自作SF小説「コードLP」より)
青春 / タッチ