A子ちゃんのデルタ翼地帯 | こころ癒し言葉〜心の進化の為に〜

こころ癒し言葉〜心の進化の為に〜

同じ時代を生きてくれてありがとう。
報酬はあなたの朗らかな笑顔です。
心不全直腸がん術後転移してステージ4。
浜松の精神障害者。
イラストと詩と小説を書きます。
言葉使い師。魔法使いです。
コメント大歓迎!
インフルエンサーじゃなく、パイオニアになりたい。

「がやがやがや」

ガガガ

「チゲ一番からチゲ揚げ足、どうぞ」

「こちらチゲ揚げ足、かご屋は無事か?」

「後方部隊の偽装市民暴動が進行中」
「手はず通りです」

「戦闘指揮官の発砲と同時に攻撃を許可する」
「サプレッサー装着」
「セーフティ解除」
「要人の拘束手順は暗記しているな」

「チゲ満腹とチゲ肉玉が配置につきました」
「こいつら間抜けな市民が恐怖に命乞いする姿が目に浮かびます」

スパンッ!

すたすたすた

「!」
「何?」
「今何が起こったの?」

「チゲ一番」
「いまあなたの後頭部を現地人がハリセンで叩きました」
「子供の女です」

「え?」
「どこ?」

「ほら」
「目の前で商品のクマさんプリントのミニスカートを触っている」
「トレーナーの背中にハリセンを隠し持っています」
「信じられません、我らの装備と行動が全てバレているなんて」

「チゲ倍満」
「私に任せて」
「生意気な日本サルの女は、お股から失禁させてあげるわ」

「さすがチゲ一番」
「女が女をはずかしめるとは、民族の尊厳ですね」

「ステルス解除」

ガガ

「チゲ一番」
「予定外の行動は慎め」
「そんな貧乏人など相手にするな」

「ちょっとあなた」
「今私の頭を叩いたよねえ」
「返答の仕方によっては・・・」
「射殺します」

チャキ

「え?」
「なに」
「A子がトレーナーにジーパンルックの貧乏人だからって」
「可憐な乙女を悪魔ちゃんの祭壇にささげるの?」

「死ね!日本人」
「この国に産まれた後悔とともに!」

パスタスタスタ

「・・・」

「な、なんじゃあこりゃあ!」

「夢を見ているの?」
「チゲ一番!」
「ガキが分裂しているわよ!」

「A子を排除しようとしても無駄なの」
「これは本部の人達がリモートしてるだけなのよ」
「A子はアルバイトなんだから」

ガガ

「こちらチゲ揚げ足」
「そいつは敵の工作員だ」
「見た目はアホだが我らの行動を全て把握している」
「危険だ、回避しろ」

「大丈夫です」
「まだ作戦に間に合います」

「A子はまだ散らないのよ」

パスパスパスパ

「チゲ倍満」
「私が蹂躙しますから背後から援護射撃を」

「了解」

ガガガ

「ダメだ」
「攻撃がすべて無効化されている」
「見えない防壁が存在するようだ」
「検証している時間はない」
「その貧乏人は危険すぎる」
「お前の常識では勝てないぞ」
「ハリセン攻撃ダメージにとんでもない数値が出ている」

パスタパパスタ

「ちょっとそこのバイト娘!」
「あんたと違ってこちとら命懸けてんだよ!」
「道を開けろ」
「弾薬が無くなっちゃうじゃないか!」

「ナイフも爆弾も無駄なの」
「店員さんとお客さんが逃げちゃったよ」
「営業妨害すると、警察呼びますよお?」

「ふっざけんなあ!」

ガガガ

「ダメだチゲ一番」
「そいつと会話するな!」
「精神を持っていかれるぞおっ!」

「そ~なのよキャサリン一番」

「ムカ!」
「私はドクトウだ」
「ソン・ドクトウ、ほら言ってみろ!」

「うんドクちゃん」
「あなた達が破壊した弁償はあなたの国に請求するからね」

「この期に及んで!」

パスパスパスパ

「最近本業の鉄工場が儲からなくてねえ」
「信じられる?」
「今日のお昼はとんかつ弁当だったのよ」

「ああああ」

「事務所の冷蔵庫にトマトが冷やしてあるのだけど」
「A子と一緒に食べない?」
「作戦チーフの説明では・・・」
「話し合ってください、だそ~よ」

「ダメよチゲ一番」
「その女は危険よお!」



「時間切れだ」
「作戦は失敗と判断」
「即時撤退命令」
「日本人には友好と言う武器がある」
「申し訳ないが君らは回収出来ない」
「各自生存の道を探せ」
「武運を」

「なによそれえ!」

「チゲ一番」
「チゲ満腹とチゲ揚げ玉が敵の食料を食べています」
「すでに我らに任務を遂行する戦力はありません」

「そんなアホなあ!」

「A子はアホじゃないのよアルバイトなのよ」
「そんなに興奮しないでドクちゃん」
「猫ちゃんから貰った『義理チョコに愛を込めないで』をあげるから」
「機嫌治してね?」
「はい、三本あげる」

ぱす

ぴりぴり

「チン大佐」
「我らはいったい何のために・・・」

むしゃむしゃ

「本部の人達が来るみたい」
「うん、弾が無くなる前にかたがついたようね」
「大丈夫、A子が差し入れ持ってってあげるから」
「元気を出しなさいドクちゃん」
「A子にハングリー語も教えてね」


ファンファンファン


「え、A子は立派に任務を果たして殉職したの」
「A子はおじぎ草ね、触られると恥ずかしいの」
「わが人生に悔いなし・・・」
「がくっ」
「・・・」

ピガガ

「はい、A子さん」
「任務終了ですお疲れ様~」
「ワザとらしい演技はウケ狙いですか?」
「お給料は口座に振り込んでおきますから」
「支給されたバス券で帰宅してください」
「今回のA子さんの仕事ぶりが評価されました」

「・・・」


キイ・バタン!ガチャン

「は、腹が減ったのにゃ」
「冷蔵庫に何かにゃいかな?」

「猫ちゃんお帰り」
「どこで遊んできたの?」

「おねいさん!」
「仕事はど~だったのにゃ」

「うん、楽しかった」
「えへへへ」

「アネゴの晴れ姿が観たかったですぜ」

「いや~ん」
「A子は箸も持てないか弱い女なのよ」

「にゃはははは」

「お土産にとんかつ沢山もらったから」
「お赤飯炊いてお祝いしましょ」

「にゃはははは」