和訳『Gods & Monsters』(Lana Del Lay/ラナ・デル・レイ) | タブンダブン

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流浪のライター、かげぎすのブログ。書評、映画感想、洋楽の和訳などいろいろとやっています。

今回の和訳はLana Del Lay『Gods & Monsters』(2012)

 

 

 

 

 

 

 

ラナ・デル・レイ

 

一風変わった名前ですが、その実、彼女本人もかなりの変人(フリーク)です。

 

それにしても、は~(恍惚)。

 

うっとりします。たまりませんなあ。たいへんな美人さんでしょう。ぼくは大好きです。

 

彼女の歌声はしっとりしていて、大人の色気たっぷり。余韻を残す焦らした歌い方が非常にそそります。

 

思わずひざまくらをしてもらいながらその歌声に聴き入りたくなるくらいです。

 

 

しかしどうです、どことなく不思議ちゃんオーラが出ていると思いませんか?

 

 

アメリカのビッグスター、レディ・ガガもまたずば抜けた変人(フリーク)ですが、デル・レイもその独特なオーラを隠しきれていません。

 

じっさいアメリカでは、しばしばデル・レイをして“アンチ・ガガ”、つまりガガの対極にある存在と考えられているようです。

 

たしかにその通りかもしれません。

 

ガガがアップテンポかつエネルギッシュなサウンドなら(とはいえ、ガガもまた詩的な造詣の深いアーティストの一人です)、デル・レイは非常にダウナーなサウンドだと言えます。

 

 

デル・レイの追求する音楽スタイルは、本国では「ハリウッド・サドコア(Hollywood-sadcore)」と呼ばれています。

 

サドコアとは、わかりやすく言うなら、荒涼とした情景をイメージさせる乾いた世界観の歌詞、もの悲しさを演出するスローでムーディーな音楽のことです。

 

 

そして、デル・レイの楽曲は映画を彷彿させるサウンドが演出します。それにより、彼女は「ハリウッド・サドコア」ミュージックと定義されたわけなのです。

 

 

さらにデル・レイは、つねに1950年代から60年代のアメリカポップカルチャーを意識して音楽に反映させています。

 

「もちろんわたしは50年代に生まれたわけではないわ。けど、自分がその時代に生きていたように感じているの」

 

 

デル・レイはまた、今日の音楽業界を象徴する仕方で知名度を一気にものにしました。

 

彼女はいつしかこう言われるようになりました。

 

「(音楽業界における)インターネット時代の光明となった歌手(a torch singer of internet era)」

 

察しの言い方はもうお判りでしょう。

 

 

そう、ラナ・デル・レイは、You Tubeで大成を収めた歌手なのです。

 

当初”ようつべ”にアップされた『Video Games』と『Blue Jeans』は、まさにデル・レイの魅力をあますところなく全力で盛り込んだ代表曲です。こちらもぜひ聴いてみてください。ハマったら最後、彼女のことを女王さまとしか呼べなくなります。

 

『Video Games』

 

 

『Blue Jeans』

 

 

 

これが流行らないわけがない。どちらも名曲です。

 

しかし、いい時代になりましたね。すばらしいものを世界の人々と一瞬で共有できてしまうんですから。今後音楽業界はますます盛り上がる気がします。市場がとんでもない幅で広がっていくわけですからね。

 

 

 

さて、さて、さて。

 

そろそろ『Gods & Monsters』に入りましょうか。

 

この曲は、ふだんのデル・レイより“ダークさ”が際立っています。歌詞の内容しかり、歌い方しかり。でもカッコよくて好きです。とくに、「I'm living like Jim Morrison」がすごくデル・レイらしいなと思いました。そう、永遠の自由人、ジム・モリソンのことを言っているわけなのです。

 

ところで、『American Horror Story』というドラマの第三シーズンでは、ジェシカ・ラング(大器晩成型の素晴らしい女優です)が劇中で歌っています。このバージョンもまためちゃめちゃ渋い。

 

 

 

ミーハーで申し訳ないですが、じつは僕は、このジェシカ・ラングが入口になってデル・レイの存在をしった口です。

 

 

ちなみにジェシカ・ラングバージョンは、オリジナル曲の「fuck」という単語部分が意図的に改変されています(笑)

 

 

まあ、さすがにね……。

 

 

 

 

In the land of Gods and Monsters
神々と獣たちが住まうかの地

 

I was an Angel

わたしは邪悪の園に
 

Living in the garden of evil
生きる天使だった

 

Screwed up, scared, doing anything that I needed
後悔 恐れ ありとあらゆる感情が燃えさかる標のように輝いてみえた

 

Shining like a fiery beacon
そのすべてをわたしは欲していた

 


You got that medicine I need
あなたは素敵なクスリを持っていた 

 

Fame, Liquor, Love give it to me slowly
名声と強い酒 そして愛情 いますべてをゆっくり注いでほしい

 

Put your hands on my waist, do it softly
やさしく腰に手を回して注いでほしいの

 

Me and God, we don't get along so now I sing
あなたは神よ 一緒にはなれない だからいまわたしは歌う

 


No one's gonna take my soul away
だれもわたしから魂を奪おうとはしないのね

 

I'm living like Jim Morrison
ジム・モリソンのように生きるこのわたしから

 

Headed towards a fucked up holiday
やがて陰鬱な祭日がやってくる

 

Motel sprees sprees and I'm singing
耳障りなほど賑うモーテル そこでわたしは歌うの

 

'Fuck yeah, give it to me this is heaven, what I truly Want'
“もうほんとに最高、これがわたしの欲しかった楽園というわけね”
 

It's innocence lost
つまりはイノセンス・ロスト

 

Innocence lost
楽園なんてどこにもなかった

 

 


In the land of Gods and Monsters
神々と獣たちが住まうかの地

 

I was an Angel
最高のファックを見守る

 

Looking to get fucked hard
わたしは天使だった

 

Like a groupie incognito posing as a real singer
歌手の真似事をするくだらないグルーピーみたいに

 

Life imitates art
けっきょく人生とは芸術のまがいもの

 


You got that medicine I need
ねえ あなたは素敵なクスリを持っているのね

 

Dope, shoot it up, straight to the heart please
一発キメてほしいの わたしの心臓をまっすぐに撃ち抜いてよ

 

I don't really wanna know what's good for me
なにが自分にとって良いのかなんて もうわたしにはわからない

 

God's dead, I said 'baby that's alright with me'
神が死んだときわたしはこう言った “ベイビー、わたしといればなにも恐くないわ”

 


No one's gonna take my soul away
だれもわたしから魂を奪おうとはしないのね

 

I'm living like Jim Morrison
ジム・モリソンのように生きるこのわたしから

 

Headed towards a fucked up holiday
やがて陰鬱な祭日がやってくる

 

Motel sprees sprees and I'm singing
耳障りなほど賑うモーテル そこでわたしは歌うの

 

'Fuck yeah, give it to me this is heaven, what I truly Want'
“もうほんとに最高、これがわたしの欲しかった楽園というわけね”

 

It's innocence lost
つまりはイノセンス・ロスト

 

Innocence lost
楽園なんてどこにもなかった

 


When you talk, it's like a movie and you're making me crazy
あなたが映画のような物言いをして わたしを夢中にさせてしまうなら

 

‘Cause life imitates art
それは仕方のないことよ だって人生は芸術のまがいものなんだから

 

If I get a little prettier, can I be your baby?
わたしが少しでもお上品になれば あなたはわたしのモノになってくれるかしら?

 

You tell me, "life isn't that hard"
“人生はそんなに悪くないもんだよ” あなたはそう言うのね

 


No one's gonna take my soul away
だれもわたしから魂を奪おうとはしない

 

I'm living like Jim Morrison
ジム・モリソンのように生きるこのわたしから

 

Headed towards a fucked up holiday
やがて陰鬱な祭日がやってくる

 

Motel sprees sprees and I'm singing
耳障りなほど賑うモーテル そこでわたしは歌うの

 

'Fuck yeah, give it to me this is heaven, what I truly Want'
“もうほんとに最高、これがわたしの欲しかった楽園というわけね”
 

It's innocence lost
つまりはイノセンス・ロスト

 

Innocence lost
楽園なんてどこにもなかった