自分のナマの姿を見ることはできないよね。

顔を含めて、

自分の体のあちこちを触ってみることはできる。

体の柔らかい人なら、

自分の体のほとんどを触ることができるだろう。

関節リウマチの僕は、

両腕を下手に動かすと激痛が走るので、

自分の体を触れる範囲がとても限られる。

それはともかくとして、

姿見に写る自分を見て僕はよく、

「きみはいいな、僕のナマを見ることができて」

と、うらやましがっている。

そのせいか、

夢にナマの僕が出てきた。

ナマの僕は何かの表彰式で表彰され、

登壇して拍手で迎えられた。

僕はナマの僕に近づこうと思ったのに近づけない。

そのときに気づいた。

僕は会場後方の壁の鏡の中にいるんだ、と。

そこで目が覚めた。

ああ、ナマで本物の僕を見たい。

 

※ 画像の僕が手にしているのは手話の絵本です